スノードロップ【snowdrop】
スノードロップ (待雪草)

●ヨーロッパ南部からコーカサス地方に分布しています。落葉樹の林内に生え、高さは15~20センチになります。葉は幅6ミリほどの線形で根生します。冬の終わりの2月ごろ、花茎を伸ばして、小さなベル形の白い花を咲かせます。内側の花弁の先端に緑色の斑があるのが特徴です。アダムとイブが楽園を追われたとき、天使がイブを慰めるために降る雪に息を吹きかけたところ、その雪の落ちたところから咲いたという伝説があります。和名では「マツユキソウ(待雪草)」と呼ばれます。
●ユリ科ガランツス属の多年草で、学名は Galanthus nivalis。英名は Snowdrop, Common snowdrop。
ガステリア: | ガステリア・グラキリス ガステリア・バテシアーナ ガステリア・ミニマ |
ガランツス: | スノードロップ 大待雪草 |
ガルトニア: | ガルトニア |
キキョウラン: | ディアネラ・タスマニカ |
スノードロップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/17 14:34 UTC 版)
スノードロップ | ||||||||||||||||||
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Galanthus nivalis
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Galanthus L. | ||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||
Galanthus nivalis (common snowdrop) | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
マツユキソウ(待雪草) | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Galanthus |
スノードロップ (snowdrop) は、ヒガンバナ科ガランサス属(Galanthus、スノードロップ属、マツユキソウ属)の総称。学名の英語読みからガランサスとも呼ばれる。
マツユキソウ(待雪草)ということもあるが、マツユキソウはガランサス属の1種 Galanthus nivalis (common snowdrop) の和名でもある。
北米では希に、キンポウゲ科アネモネ属のAnemone quinquefolia をsnowdropと呼ぶことがある。また、エゴノキ科ハレーシア属 Halesia をsnowdrop treeと総称することがある。
スノーフレークは名前が似ているが別属である。
語源
学名である「Galanthus」は、ギリシャ語のγάλα(gála、ミルク)とάνθος(ánthos、花)に由来する。「スノードロップ」の呼称は16世紀から17世紀にかけて人気のあった涙滴型の真珠のイヤリングであるドイツのSchneetropfen(Snow-drop)に由来する。
特徴

球根で育つ。種子から育てることもできるが、花が咲く大きさの球根に育つまで数年かかる。
冬の終わりから春先にかけ花を咲かせ、春を告げる花として知られる。
花は白で、3枚ずつの長い外花被と短い内花被を持つ六弁花。いくつかの種では内花被に緑色の斑点がある。
夜になると花を閉じ、昼間吸収した温かい空気を保管する[1]。
栽培
耐寒性は強いが、土壌を選ぶ[1]。種からスノードロップを育てると、花をつけるまでに4年程度が必要になるため、球根から植えるのが一般的。なお、スノードロップの球根にはアルカノイド系の毒性があるため植え付けまでの保管や植え付け時の取り扱いに注意する[2]。
植え付け時期は9月下旬~11月で、発芽が確認できるのは12月下旬頃[2]。植え付けから発芽までは、半日陰の涼しい場所に置き、発芽後から花が終わるまでは日当たりの良い場所で管理する。花後の休眠期は半日陰から日陰の風通しの良い涼しい場所に移す[3]。
分類
約20種が属する。よく知られた種は
- Galanthus nivalis (common snowdrop、スノードロップ)
- Galanthus woronowii(green snowdrop、マツユキソウ[4])
- Galanthus elwesii(giant snowdrop, greater snowdrop、オオユキノハナ)
文化
1月1日や1月2日などの誕生花とされる[5][6]。花言葉は「慰め[7][8][9]、希望[10][9]、恋の最初のまなざし[6]」などとする文献がある。
スノードロップはヨーロッパ各地で見られるため幸運なものから神秘的、あるいは不吉なものなど様々な言い伝えがある。
キリスト教では、2月2日の聖燭節(聖母マリアの清めの祝日)との関係が深い[11]。修道院の庭でよく育てられていたため、修道院の跡地などに自生していることが多い[1]。聖燭節の日にスノードロップを籠やボウルに集めて家に持ち帰ると家が清められるという言い伝えが、イギリスのヘレフォードシャー・ビーコン近隣で伝わっている[1]。イギリスも自生地とされるが、修道僧がイタリアから持ち帰ったものが定着したとも考えられている[1]。
スコットランドでは年が明ける前に見つけると翌年には幸運が訪れると言われている[9]。ただし、結婚を望む女性が2月14日以前に摘むと不幸が訪れるとされている[9]。
キリスト教の伝説によると、エデンを追われたイヴが地上で初めて迎えた冬の日、野原の草花が無くなった一面の雪原に嘆いていた所に現れた天使が、イヴを慰めるために降っていた雪をスノードロップに変えたという。このことから、「希望」と「慰め」の意味を持つとされており、花言葉の由来となっている[9][1][12]。
異なる伝説としてイギリスの一部の農村部では『恋人が死んでいるのを見つけたケルマは、スノードロップを摘んで彼の傷の上に置きました。それは彼を目覚めさせることはありませんでしたが、彼の肉体は雪の雫(スノードロップ)に変わりました。このことから、花は死の象徴でもあります。』[注 1]とあり、死を連想させることがある[12]。この伝説が伝わっている地方では初冬にスノードロップの花束を家に持ち込むと不幸が起こると言われており、また、異性への贈り物として選ぶことは『あなた(花を受け取った人)の死を願う[注 2]』という気持ちが込められているとして配慮に欠けるとされている[注 3]。この逸話はイギリスの特定地域限定の逸話であることに留意。
ドイツには、雪が自らに色が無いため色を分けてくれるように花に頼んだが拒まれ、唯一それに応じたのがスノードロップだった、という言い伝えがある。
ロシアの詩人マルシャークの『森は生きている』は、少女が大晦日に継母からこの花を探して摘んで来るように、という無理難題を言い付けられたのが話の始まりである。
脚注
注釈
- ^ 編集者による訳。原文 "Kerma, finding her lover dead, plucked a snowdrop and placed it on his wounds. It did not rouse him, but at the touch his flesh changed to snowdrops, hence the flower is also an emblem of death."[12]
- ^ 花言葉ではない。
- ^ 編集者による訳から。原文 "Even now in rural England the flower is in ill repute, and it is unlucky to carry the first spray of the season into the house, while it is downright indelicate for a person to give it to one of another sex, since it implies a wish to see the recipient dead."[12]
出典
- ^ a b c d e f アリス・M・コーツ『花の西洋史事典』八坂書房、2008年。ISBN 978-4896949056。
- ^ a b “スノードロップとは?育て方・栽培方法|植物図鑑”. LOVEGREEN. 2025年2月17日閲覧。
- ^ “スノードロップの育て方。コツとお手入れ、植え替えや寄せ植えを一挙紹介します”. GARDEN STORY (2018年10月2日). 2025年2月17日閲覧。
- ^ レミニール錠インタビューフォーム 2020年9月(第10版)
- ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、4頁。
- ^ a b 徳島康之(監修)『新装版 誕生花と幸せの花言葉366日』主婦の友社、2016年8月10日、16頁。 ISBN 978-4-07-417823-0。
- ^ Louis Aimé Martin (1820). Le langage des fleurs. pp. 249-250
- ^ The Language of Flowers. Carey, Lea & Blanchard. (1835). p. 177
- ^ a b c d e 国吉純(監修)『想いを贈る 花言葉 小さな花物語』ナツメ社、2010年12月15日、208頁。 ISBN 978-4-8163-5002-3。
- ^ Henrietta Dumont (1852). The Language of Flowers: The Floral Offering: a Token of Affection and Esteem; Comprising the Language and Poetry of Flowers .... H. C. Peck & T. Bliss. pp. 15-19
- ^ “スノードロップ”. 新日本カレンダー株式会社. 2025年1月1日閲覧。
- ^ a b c d “The Snow Drop Legend”. Reading Eagle - Jan 8, 1925. Reading Eagle (1925年1月8日). 2025年2月17日閲覧。
Charles M. Skinner (2013). “SNOWDROP”. Myths and Legends of Flowers, Trees, Fruits and Plants. Foster Press. ISBN 9781447497790
関連項目
外部リンク
- スノードロップとは|育て方がわかる植物図鑑 - みんなの趣味の園芸(NHK出版)
スノードロップ (曖昧さ回避)
(スノー・ドロップ から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/10 06:18 UTC 版)
スノードロップ (snowdrop, snow drop)
- スノードロップ - ヒガンバナ科の花。
一覧
音楽作品
- 楽曲
- snow drop (L'Arc〜en〜Cielの曲) - L'Arc〜en〜Cielが1998年10月7日に発売した通算13枚目となるシングルで、2週連続リリースの1週目に発売された。フジテレビ系 火8ドラマ『走れ公務員』主題歌。
- スノウドロップ (林明日香の曲) - 林明日香の2004年の楽曲。2004年12月~2005年1月にNHK『みんなのうた』で放送。
- スノウドロップ - 森山直太朗の2008年のシングル。テレビ朝日系『ビートたけしのTVタックル』エンディングテーマ。
- snowdrop (春奈るなの曲) - 春奈るなの2013年の楽曲。テレビアニメ「〈物語〉シリーズ セカンドシーズン」『恋物語』エンディングテーマ。
- snowdrop (加藤和樹の曲) - 加藤和樹の2014年の楽曲。
- スノードロップ - 上野優華の歌。シングル「Winter Kiss」収録。
- スノードロップ - 大橋トリオの歌、アルバム「MAGIC」収録。
- スノードロップ - Cherieの歌。アルバム「JACK」収録。
- スノードロップ - nano.RIPEのシングル。テレビアニメ『食戟のソーマ 弐ノ皿』のエンディングテーマ。
- アルバム
- Snowdrop (辛島美登里のアルバム) - 辛島美登里の1999年のアルバム。
タイトル作品
- スノードロップ (漫画) - 1997年の秋元奈美による漫画作品。
- スノードロップ (テレビドラマ) - 2021年-22年放送の韓国のテレビドラマ。
- スノウ*ドロップ [1] - 秋野史のケータイ小説。実際の書籍としても2015年発売。魔法のiらんど文庫。ISBN 4048656651
その他
- スノードロップ (アニメ制作会社) - 神戸のアニメーション制作会社。
- snowdrop [2] - 広島県の広島市青少年センターを利用するDanceSchool魁が立ち上げた広島市、福山市などを中心に活動してきた女性アイドルグループ、ローカルアイドル。2015年解散。
- Snow Drop [3] - 2000年7月20日に発売された「Sweet Basil」制作の青春アドベンチャーアダルトゲーム。
関連項目
「スノードロップ」の例文・使い方・用例・文例
- スノードロップという植物
スノー・ドロップと同じ種類の言葉
固有名詞の分類
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