Windows 8/8.1
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/11 16:59 UTC 版)
「Windows Aero」の記事における「Windows 8/8.1」の解説
2012年10月26日に発売されたWindows 8では、「Windows 8のデスクトップをModern UIスタイルの美意識に近づけることに決めた」と理由を挙げ、Windows Aeroの視覚効果であるAero Glassを廃止することが発表された。ただし2012年6月公開のRelease Preview(リリース候補版)までのバージョンにはAero Glassが残っていた。 フリップ 3Dは2011年9月公開のDeveloper Previewの時点で既に廃止されていた。ウィンドウ枠のAero GlassはRTMでは発表通り取り除かれたが、タスクバーのそれはWindows Vista/7に比べて透過率を抑え、透過部分のぼかし効果をほとんど無効化するなどの変更を施しながらも残されているが、Windows 8.1では透過率はやや上げられている(公式ブログのスクリーンショットを参照)。 発表当初、Aeroを廃止すると表記した報道もみられたが、実際にはAeroの機能すべてが廃止されたわけではなく、Aero Glassとフリップ 3Dが廃止対象となっただけであり、それらの代替機能が新設されている(従来のフリップ3Dの操作ではModern UIのシェル操作にてModern UIアプリケーションのフリップが可能)。Aero ShakeやAero Snap、Aero Peekなど、Windows 7にて拡張されたAero機能は引き続き搭載されており、Windows Vista以来の最小化・最大化やウィンドウを開閉する操作に伴うフェードアニメーション効果も継続されている(Windows 8.1 Update 1ではModern UIアプリケーションでもこれが有効化された)。さらにAero Glassの代替として、背景画像の色調に応じてウィンドウ枠などの配色が自動的に決定されるAero Auto Colorという視覚効果が新しく追加された。 Aero PeekにおいてはWindows 7に比べると若干の動作変更が施されており、プレビュー時における透明処理後の枠のラインはかなり薄いものに変更され、透過ウィンドウ部分のグラデーションは削除され、その代替としてごく薄い白色のベール状のものに変更された。また、複数のウィンドウが開かれており、かつ大きさの異なる非アクティブウィンドウがある場合、Windows 7ではこれらがすべて枠のラインが表示されていたが、Windows 8では非アクティブウィンドウが最大化された状態を除くアクティブウィンドウ内に収まって隠れていたり、非アクティブウィンドウが複数、大きな非アクティブウィンドウ内に隠れている場合などにはサイズの大きいそれを除き、非アクティブウィンドウの枠のラインは表示されなくなっている。Windowsフリップについても背景がModern UIの配色や要素が盛り込まれたものに変更されており、デスクトップアプリとModern UIアプリの混在表示も可能になるなど、機能強化が図られた。 Aero Auto ColorはWindows 8が開発中のバージョンから新設され、Aero Glassと併用されていたが、RTMにおいてはAero Glassの廃止により、実質その代替視覚効果となった。その動作は、デスクトップの背景が画像ファイルの場合に画像の平均的・主体的な色調を検知して、ウィンドウ枠やタスクバーの色合い・明るさ・彩度などを背景と調和するよう、DWMにて調整する。スライドショーの画像ファイル背景設定時には、移り変わる背景の色調に応じ、ウィンドウ枠やタスクバーの配色は同期して変化する。背景が画像ファイルではなく、単色である場合はウィンドウ枠やタスクバーの配色はシルク調がかった白色になる。また、非アクティブウィンドウの場合はAero Auto Colorが有効・無効にかかわらず透過効果のないグレー調のモノトーン配色になる。マルチモニター環境にてディスプレイごとに異なる背景が表示されている場合は、複数のディスプレイに映し出される背景の平均的・主体的な色調に応じて配色される場合もある。デザイン的にはAero Glassの廃止により、Windows Vista/7に比べるとWindows XP風に戻り、配色が強調される傾向になったが、配色はパステルカラー調になっている。 Windows Vista/7ではデスクトップコンポジション(DWM)の無効化の設定が可能であり、それによりAeroの主要機能を無効化することが可能であったが、Windows 8ではその無効化はできなくなっている(ハイコントラストテーマやセーフモードの場合であっても、シェル操作に係るAeroの機能やセーフモードの場合におけるタスクバーの透過は有効になっている)。 なおWindows 8のビジュアルテーマの内部名は"Aero2"となっており、Windows Presentation Foundationのテーマアセンブリ(PresentationFramework.Aero2.dll)などから垣間見ることができる。
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