Undress
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 07:29 UTC 版)
「傘をもたない蟻たちは」の記事における「Undress」の解説
今まで一緒に働いてきた仲間たちにオーダーメイドの赤いボディのボールペンをプレゼントし、目をかけていた後輩の小金井にいつものように「会社の犬になんかなるなよ」という言葉を残して大西勝彦は丹頂社を辞め、長年の夢だった脱サラを果たした。今まで培ってきたノウハウとネットワークを生かしてステップアップする明るい未来を感じ、同じ会社の女子社員・若井リサとの関係ももう隠す必要はないのだと意気揚々としていた大西だったが、出張中のリサを追いかけて行った大阪で、彼女から母親の病気を理由に福井に帰ると告げられ、2人の関係は終わりを迎える。しかし翌日、旧友の田中の会社の前で、左遷されたはずの石田とリサが腕を組んでマンションに入っていくのを目撃した大西は驚いて2人を問い詰め、実は前からリサが石田と付き合っていたこと、石田の左遷は仕組まれたものであったことを知る。そして帰りの新幹線の中では、丹頂社が新会社を設立し、その社長に小金井が就任したニュースが流れていた。愕然とする大西に当の小金井から電話が入り、実は自分は大西が嫌いだと言い続けて辞めた丹頂社の社長・筒井の息子であったこと、そして丹頂社で作ったコネは今後一切使えないと告げられ愕然とする。仲間たちに送ったボールペンも池に捨てられており、自分が疎まれていたことを知った大西は涙が出てくるが、筒井社長はそんな大西に声をかけ、新しい就職先の話をもちかける。そして大西は、また毎日スーツを着る日々がやってくるのだと悟る。 大西 勝彦(おおにし かつひこ) 父親が少ない給料であくせく働いた末に地元の零細企業が倒産して退職金ももらえなかったのをそばで見ていたため、会社に振り回されるような人間にだけはなりたくないと、最高の脱サラをすることを長年夢見ていた。奨学金で国立大学を卒業後、広告代理店「丹頂社(たんちょうしゃ)」の営業部で10年以上働き、会社員としてのノウハウとネットワークを構築し、満足いく一大プロジェクトを成し遂げたと感じ、脱サラに踏み切る。 脱サラ直前、日本最大手百貨店のリニューアルオープンに向けたトータルプロデュースのエグゼクティブプロジェクトマネージャーを任されていたが、オープンにあわせて大々的に発表するはずだったアイシクルとのコラボ商品の情報が流出したことでアイシクルとの契約が打ち切りとなり、その責任をコラボ商品の資料をまとめていた石田に押し付けた。 小金井 卓哉(こがねい たくや) 大西が教育担当をしていた後輩。物事を誇張して話す癖がある。 若井 リサ(わかい リサ) 会社の人間には秘密で付き合っている大西の恋人。1年程前、大西が任されたプロジェクトでのスケジュール管理のためにアシスタントとしてついたことがきっかけで付き合い始めた。良く言えば天真爛漫、悪く言えば幼稚。エンジェルナンバーにこだわりを持っている。福井の田舎町に1人暮らしの母親がいる。 石田(いしだ) 営業事務として働いていたが、5か月前に大西が責任を押し付けたために左遷される。白髪交じりでシミが多い。口調はおっとり。奥さんと成人している子供がいる。 筒井(つつい) 大西らが勤めていた「丹頂社」社長。 田中(たなか) あだ名:アガベ。由来はテキーラが好きなところから。大西の大学時代のサークル仲間で、就職後のコネを作るために上昇志向の強い人間を集めたイベントを一緒に開催していた。卒業後はIT系のベンチャー企業であるワンダフルイマジン・ラボに就職しており、今は大阪支社を任されている。既婚者で、来月には子供が産まれる。
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