TOC 思考プロセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 03:14 UTC 版)
「制約条件の理論」の記事における「TOC 思考プロセス」の解説
思考プロセスはプロジェクトの開始と実施の各ステップ間を管理者がくぐりぬけるのを助ける一群のツールである。思考ツールの論理的フローでの使用は、説得のプロセス: 問題について同意を得る 解法の方向について同意を得る その解法が問題を解決できることについて同意を得る いかなる潜在的否定的波及効果も克服することに同意する 実施する際のいかなる障害も克服することに同意する を進める助けになる。 TOCの実践者は、抵抗層としてはたらくマイナス面を変えるために、これらを参照する。 思考プロセスは、ゴールドラットその他によって成文化されている 現状構造ツリー (Current Reality Tree = CRT, 多くの組織で使われている現状マップに類似) 好ましくない結果 undesirable effects (UDE, ギャップ要素としても知られる)のあいだの因果関係のネットワークを評価して、好ましくない結果のほとんどの根本原因(複数可)を突きとめるのを助ける。 蒸発する雲 (Evaporating cloud 対立解消図 conflict resolution diagram または CRD) 好ましくない状況の原因をいつも持続させている対立を解消する。 中核対立の雲 (Core Conflict Cloud = CCC) いくつかのUDEをもとにした、対立の雲の組み合わせ。好ましくない結果を作り出しているより深い対立を探すこと。 未来構造ツリー (Future Reality Tree = FRT, 将来マップに類似) CRTのなかで明らかになった原因の解消のために、また、CRDのなかの対立を解決するために、いくつかの行動(インジェクション)がいったん(かならずしも詳細でなくても)選ばれるとき、FRTがシステムの将来の状態を提示する。FRTはその変化のありうる否定的な結果(ネガティブブランチ)を識別することを助ける。FRTは変化が実施される前にその変化を熟成させることを助ける。 ネガティブブランチ (Negative Branch Reservations = NBR) 任意の行動(インジェクション、または生焼けのアイディア)についての潜在的な否定的影響を識別する。NBRのゴールは、行動と否定的影響の因果の経路を理解し、その否定的効果を追い出せるようにすることである。 ポジティブ強化ループ (Positive Reinforcement Loop = PRL) 好ましい結果 desired effect (DE) がFRT中にあり、ツリーの最初のほう(低いほう)にある中間物 intermediate objective (IO) を増幅すること。中間物が強化されているあいだ、それはこのDEに肯定的に影響する。PRLが見つかる場合、FRTは長持ちする。 前提条件ツリー (Prerequisite Tree = PRT) 選ばれた行動を遂行し、プロセス中に発生するだろう障害を克服するのに必要なすべての中間物の状態。 移行ツリー (Transition Tree = TT) 変化(PRTで概要が示されていてもいなくても)を実施する計画を完遂するために指導的となる行動の詳細を記述する。 戦略と戦術 (Strategy & Tactics = S&T) 成功する実施およびPOOGI(Process of Ongoing Improvement 継続的改善プロセス)によって進行中のループをもたらす全体的なプロジェクトの計画および測定基準。 何人かの観察者は、これらのプロセスは基本的にはPDCA"Plan-Do-Check-Act"(checkがただ見ることであるのに対してstudyが積極的な取り組みを育むことから、現在ではPDSA "Plan-Do-Study-Act"とされることも多い)や"Survey-Assess-Decide-Implement-Evaluate"のような、他のいくつかの管理の変化モデルと大きく違ってはいないと書いている。しかしこの方法はより明確で直接的である。これについてはWilliam Dettmer 「Goldratt's Theory of Constraints - A Systems Approach to Continuous Improvement」ISBN 0-87389-370-0 (日本語訳は H.ウイリアム デトマー『ゴールドラット博士の論理思考プロセス―TOCで最強の会社を創り出せ!』内山 春幸 訳、中井 洋子 訳 ISBN 4-4960-4098-0) に詳しい。
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