SuitSat-1とは? わかりやすく解説

SuitSat-1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/31 15:25 UTC 版)

宇宙服衛星」の記事における「SuitSat-1」の解説

2005年、本来ならプログレス補給船帰路積み込まれゴミとして大気圏突入時に焼却処分される予定だった使用済のロシア製オルラーン宇宙服に、2m(144MHz)帯ハンディ無線機 KENWOOD TH-2センサ類、制御機器電池搭載し人工衛星仕立てるプランが、モスクワ大学学生達によって浮上ロシア連邦宇宙局アメリカ航空宇宙局がこれに協力し、共にアマチュア無線従事者免許を持つ、第12次長期滞在クルー隊長ウィリアム・S・マッカーサー英語版)とヴァレリー・トカレフ飛行士が、地上から届けられ機器搭載行ったスーツサット-1(SuitSat-1)と名付けられたこの宇宙服衛星(5回の船外活動使用したOrlan-M #14利用)は、船外活動行ったトカレフ飛行士の手2006年2月3日23:02(UTC)に国際宇宙ステーション(ISS)のロシア棟のエアロックから船外投げ出され地球周回低軌道周期90分で漂流し始めた。 同衛星は 145.99MHz FM 500mW で、ロシア・スペイン・ドイツ・フランス・アメリカ・日本各国学生録音した友好メッセージと、300上の Robot 36 形SSTV画像衛星ステータス音声テレメトリ自動送出し、RS0RS(AMSAT OSCAR-54)と正式に命名された。 受信報告書には各国アマチュア無線連盟から記念ベリカード(QSL)が発行される他、各国語メッセージには合言葉含まれていて、これを聴き取ればアワード特別賞)が与えられる予定だった。 ところが地球を2周回程したところでリチウムイオン電池低温凍結し送信出力極端に低下その後機器からの発熱宇宙服内が熱平衡状態達し微弱ながらも自動的に送信再開した当初予定では地上から軽便な無線機でも受信できるはずだったが、衛星通信EME用の本格的な設備においても好条件揃わない受信できない珍局になってしまった。2月5日からはARISS(Amateur Radio station on ISS, NA1SS)基地局が 437.80MHz FM 10W でクロスバンドレピータ中継急遽実施したが、受信状態はほとんど改善されなかった。 2月17日11:00(UTC)頃の音声テレメトリ最後に受信レポート途絶え電池消耗によって活動停止状態に陥ったものと思われる。翌18日にはシンガポールアマチュア天文家地上からの画像撮影成功した9月7日16:00(UTC)頃、オーストラリア沖の南極海上で大気圏突入し消滅した考えられている。

※この「SuitSat-1」の解説は、「宇宙服衛星」の解説の一部です。
「SuitSat-1」を含む「宇宙服衛星」の記事については、「宇宙服衛星」の概要を参照ください。

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