DIAC
SIDAC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 05:41 UTC 版)
交流シリコンダイオード(silicon diode for alternating current, SIDAC) は、あまり一般的には使用されていないデバイスであり、電気的にはDIACに似ているが一般的により高いブレークオーバ電圧とより大きな電流処理能力を備える。 SIDACはサイリスタのファミリーの1つである。SYDAC (silicon thyristor for alternating current)、双方向ブレークオーバダイオード、またはより単純に双方向サイリスタダイオードとも呼ばれ、技術的には両側トリガスイッチとされる。動作はDIACと似ているがSIDACは常に5層構造のデバイスであり、ラッチされた導通状態では電圧降下が低く、ゲートがない電圧トリガTRIACにより近い。一般的には、SIDACはDIACよりも高いブレークオーバ電圧と電流処理能力があるため、他のスイッチングデバイスのトリガとしてだけでなく、スイッチングに直接使用することができる。 SIDACの動作は機能的にはスパークギャップ(英語版)の動作と似ているが、より高い温度定格に達することはできない。SIDACは、印加電圧が定格ブレークオーバ電圧に達するまたは超えるまで非導通のままである。負の動作抵抗領域を経てこの導通状態に入ると、電圧に関係なくインカ電流が定格保持電流を下回るまで導通し続ける。この点でSIDACは最初の非導電状態に戻り、サイクルを再開する。 ほとんどの電子機器ではやや珍しいことだが、SIDACは特別な目的のデバイスの地位に降格されている。ただし、部品点数を少なく抑えるには単純な弛緩発振器(英語版)が必要であり、電圧が低すぎてスパークギャップを実際に動作させることができない場合、SIDACは不可欠な部品である。 通常SIDACと機能的に互換性はないが、同様のデバイスは、STマイクロエレクトロニクスのTrisilやリテルヒューズのSIDACtor及びその前のSurgectorなどのサイリスタサージ保護デバイス (TSPD) である。これらは過電圧過渡の抑制に対し、大きなサージ電流に耐えられるように設計されている。多くの用途でこの機能は現在、特に主電源の過渡電圧をトラップするために金属酸化物バリスタ (MOVs) により提供されている。
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