KKK加入、富と権力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/05 04:09 UTC 版)
「デイビッド・カーティス・スティーブンソン」の記事における「KKK加入、富と権力」の解説
1920年、29歳になったスティーブンソンはインディアナ州エバンズビルの石炭小売会社に職を得て移り住んだ。同地でスティーブンソンは民主党に入党し、1922年には連邦下院議員選挙に打って出ようとしたが、候補として指名を受けることすらできなかった。これは、エバンズビルに移り住んだ頃には既に2度の離婚歴があったため、と言われている。 やがて、テキサス州からエバンズビルに派遣されたジョセフ・M・ハフィントンの勧誘を受け、スティーブンソンはKKKに加入した。やがてエバンズビルの支部は州で最も強い力を持つようになり、スティーブンソンも新会員の獲得に寄与していくようになった。最終的には、バンダーバーグ郡の白人男性の23%にあたる、5,400人がKKKに加入した。 やがてスティーブンソンはインディアナポリスに地盤を築き、KKKの州機関紙Fiery Cross(「燃え盛る十字架」の意)の創刊に関わった。スティーブンソンは機関紙に基盤を置いて会員を急増させた。プロテスタントの牧師には無償で会員権が与えられた。1922年7月から翌1923年7月にかけては、インディアナ全土で毎週2,000人近くの新規会員が加入した。全米組織の会員勧誘を主導していたハイラム・ウェスレー・エバンズは、1921-22年にかけて各州支部の主導者と近しくしていたが、中でも最大の勢力を誇っていたインディアナを率いるスティーブンソンとはとりわけ近しくしていた。1922年11月にエバンズがウィリアム・ジョセフ・シモンズに代わって全米代表「インペリアル・ウィザード」に就任した際、スティーブンソンはエバンズを後押しした。エバンズは、KKKが国政に影響力を及ぼすようにする野望を持っていた。 エバンズは就任すると、スティーブンソンを公式にインディアナ支部長「グランド・ドラゴン」に任命した。加えて、エバンズは非公式に、ミシシッピ州以北の周辺7州において、会員勧誘活動を主導する権限をスティーブンソンに与えた。1920年代、これらの州においてはKKKの会員数が劇的に増えていた。インディアナ州においては、州の白人男性の1/3にあたる250,000人の会員を抱えていた。スティーブンソンは、新規会員を獲得するごとに報奨金が入るKKKの組織内の仕組みを利用して、莫大な財力と政治力を手にしていった。KKKの衣装と装備の販売を独占していたエバンズは、1923年7月4日、インディアナ州ココモで開かれた独立記念日の集会で、100,000人以上の会員とその家族の面前で、スティーブンソンをインディアナ支部の「グランド・ドラゴン」に任命した。これに対し、スティーブンソンは次のように述べた。 My worthy subjects, citizens of the Invisible Empire, Klansmen all, greetings. It grieves me to be late. The President of the United States kept me unduly long counseling on matters of state. Only my plea that this is the time and the place of my coronation obtained for me surcease from his prayers for guidance. (訳)我が価値ある臣民たち、見えざる帝国の市民たち、クランの会員たち、皆、ようこそ。遅くなってすまなかった。州の諸問題について、合衆国大統領にあまりにも長いこと相談を受けていた。私がたった1つ嘆願したことは、私の戴冠式が開かれている今この時、この場所で、彼の祈りと導きが終わるということだ。 1923年9月、成功に気を良くしたスティーブンソンは、KKKの既存の全米組織と決別し、スティーブンソン自身が主導する支部から成る、独自のKKK組織を創った。また同年、スティーブンソンは民主党から、インディアナをはじめ、中西部において強い勢力を持っていた共和党へと鞍替えし、KKK会員と噂されていた共和党員エドワード・L・ジャクソンを支持した。翌1924年にジャクソンがインディアナ州知事に就任すると、スティーブンソンは「私がインディアナの法だ」と言い放った。 その直後、1924年5月12日には、インディアナポリスのカドル・ターバナークル教会(Cadle Tabernacle)で開かれた集会で、次のように述べた。 God help the man who issues a proclamation of war against the Klan in Indiana now ... We are going to Klux Indiana as she has never been Kluxed before ... I'll appeal to the ministers of Indiana to do the praying for the Ku Klux Klan and I'll do the scrapping for it ... And the fiery cross is going to burn at every crossroads in Indiana, as long as there is a white man left in the state. (訳)神は今、インディアナのクランに宣戦布告した者を救い給うた... 我々はこれまでには無かったくらい、インディアナを一丸としていこうではないか... インディアナの牧師には、クー・クラックス・クランに祈りを捧げるよう訴える。さすれば私は、その祈りに応えて戦おう... そしてインディアナに白人の男がいる限り、インディアナ中の交差点で十字架を燃え盛らせよう。
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