【Il-2】(あいえるつー)
イリューシンIl-2「シュトルモビク」。
第二次世界大戦で活躍したソ連の攻撃機。
この時代におけるソ連機の中でも最も有名な機体のひとつである。
1939年に原型機が完成し、1941年には量産が開始された。
その最大の特徴は、航空機とは思えないほどの頑丈さにある。
胴体前部は厚い装甲板でできており、これに胴体後部や翼を付けた様な構造で、20mm以上の砲火でなければ撃墜できなかったと言われた。
1941年夏より配属が開始されると、ドイツ軍機甲部隊に対し大いに戦果を上げたため、指導者・スターリンはイリューシンの工場に
「赤軍は朝食と同じくらいにIL-2を必要としている!」
と打電したという。
総生産数は36,163機と、第二次世界大戦中に各国で生産されたどの戦闘機よりも多く、ソ連軍兵士は「空飛ぶ戦車」と呼び、ドイツ軍兵士からは「黒死病」と恐れられた。
関連:タンクバスター A-10
スペックデータ
乗員 | 2名 |
全長 | 11.65m |
全高 | 4.2m |
全幅 | 14.6m |
主翼面積 | 38.5㎡ |
全備重量 | 5,880kg |
発動機 | ミクーリン AM38F液冷V型12気筒(出力1,700hp)×1基 |
最高速度 | 414km/h |
実用上限高度 | 6,500m |
航続距離 | 720km |
上昇率 | 10.4m/s |
装甲厚 | 6mm(エンジン前部) 4mm(エンジン側面) 6mm(コックピット側面。後に8mmに増強) 12mm(操縦席背面) |
武装 | ShVAK 20mm機関砲×2門(初期) VYa-23 23mm機関砲×2門 ShKAS 7.62mm機関銃×2門(固定) Berezin UBT 12.7mm機関銃×1門(後部旋回) |
爆装 | 600kgまでの爆弾とRS-82 82mmロケット弾8発またはRS-132 132mmロケット弾4発を搭載可能。 |
派生型
- 原型機
- 主要生産型
- Il-2:
TsKB-57に若干の設計変更を施した初期生産型。
- Il-2M:
後部銃手席を加えた複座型。AM-38Fエンジン(1,720hp)を搭載。
- Il-2M3:
Il-2 タイプ3とも呼ばれる主翼改良型。
主翼に後退角が付けられ、固定武装のShVAK 20mm機関砲をVYa-23 23mm機関砲に変更している。
- Il-2 NS-37:
Il-2 タイプ3Mとも呼ばれる、翼下にNS-37 37mm機関砲ポッドを搭載した型。
- Il-2 ShFK-37:
翼下にShFK-37 37mm機関砲ポッドを搭載した型。
- Il-2 NS-45:
翼下にNS-45 45mm機関砲ポッドを搭載した型。
- Il-2T:
航空魚雷を搭載する雷撃機型。海軍航空隊で使用された。
- Il-2U:
U-Il-2とも呼ばれる複座練習機型。
- Il-2:
- 試作型
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