ISS推進モジュール
(ISS Propulsion Module から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/06/25 04:33 UTC 版)
ISS推進モジュール(英語: ISS Propulsion module)はズヴェズダとプログレス補給船の役割をバックアップするために提案されていた国際宇宙ステーションのモジュール。ISSを保つために重要な誘導、航行、制御、推進などの機能はズヴェズダとプログレス、欧州補給機のみに提供されている[1]。推進モジュールはズヴェズダが打ち上げ失敗して利用できない場合の高度維持と高度上昇用のリブースト、デブリ回避、姿勢制御、本体への燃料供給などに必要とされていた。ズヴェズダが利用可能でなくなると暫定制御モジュールが最初に使われるはずだったが、この機構は寿命が3年でありその後は何らかの推進モジュールが必要であった。
ISSは高度維持、デブリ回避、姿勢制御などに年平均7000kgの推進剤が必要である。現在の利用状況から考えると、2014年までに通算で105,000kgが必要と考えられる。推進モジュールはユニティに取り付けられる予定であり、補給中断の際にISSを軌道上にとどめるために必要とする一年分の予備推進剤を提供する予定であった。
ISSが必要とする一年分の推進剤を満たすためには複数の補給船が必要とされていた。現在の計画では年に6台のプログレスM1がその需要を満たしている。
推進モジュールは最大で燃料を9808kg積むことができる予定であり、プログレスMの1100kgやプログレスM1の1950kg、ATVの4000kgやNASAが計画していた暫定制御モジュールの5000kgよりもたくさんの燃料を保持できた。シャトル・オービタは一般的にリブースト用に232kgの利用可能燃料があり、オービタの最大のリブーストミッションでは利用可能燃料が1626kgある。ザーリャFGBには燃料が5500kg積み込め、ズヴェズダ自体は860kgの燃料が積めたが、一般的に利用寿命があるためにメインスラスターを使わずに維持することが好ましい。
推進ユニットはサービスモジュールが利用可能でない場合のバックアップ計画の一部であるうえ、後期追加の計画としてステーションにアメリカが所有する推進システムを持つことを意図していた。しかしながら、設計は予算超過し、予定していたスケジュールから遅れた。代替設計として"ノードX"という設計があり、ハーモニーやトランクウィリティーの周りに計画にはなかった新たな構造を作ることが暫定的に計画された。これは2本の着脱式の燃料タンクを使う計画であったが、これも採用されなかった。
その後、ATVやプログレスを燃料補充や高度上昇用のリブーストへ利用するという方針が決まり、本計画は中止させられている[2]。
関連項目
脚注
- ^ “ESA - Human Spaceflight and Exploration - International Space Station - DMS-R: ESA's Data Management System for the Russian Segment of the ISS”. Esa.int (2009年1月16日). 2012年1月26日閲覧。
- ^ [1]
- “Space Station: The Station Components”. Houston Public Television. (1999年) 2009年4月5日閲覧。
外部リンク
|
「ISS Propulsion Module」の例文・使い方・用例・文例
- NEISSという危害情報システム
- この映画は,地球の上空約400キロの軌道を時速2万8000キロで回りながらの国際宇宙ステーション(ISS)の組み立てについての3D映画だ。
- 16か国が,ISSを建設するために共に作業をしている。
- 映画では,宇宙遊泳のシーンや,宇宙飛行士がISSを組み立てるためにロボットアームを使うところが見られる。
- 東京の品川アイマックスシアターでのオープニングセレモニーでは,宇宙飛行士の若田光一さんが,スペースシャトルとISSのドッキングシーンをどうやって撮影したかを説明した。
- 若田さんは2000年10月にスペースシャトルに搭乗し,ISSの組み立てに携わった。
- 野口さんは国際宇宙ステーション(ISS)の全地球測位システム(GPS)のアンテナを交換した。
- 8月1日,野口さんはロビンソンさんとともに2回目の船外活動を行い,ISSの故障した姿勢制御ジャイロを新しいものと交換した。
- これらの品目は,国際宇宙ステーション(ISS)に持ち込める飲食物のリストに追加される予定だ。
- ISSにいる宇宙飛行士にとって,いろいろな食品から選択できることは大変重要だ。
- これには,バランスのとれた食事を提供する目的だけでなく,ISSでの長期滞在中のストレスを軽減する目的もある。
- しかし,宇宙飛行士の若(わか)田(た)光(こう)一(いち)さんが2008年秋にISSに滞在するよう選ばれたとき,宇宙日本食の開発を早める決定が下された。
- 今回の任務における作業の1つは,日本の実験棟「きぼう」の船内保管室(保管モジュール)を運び,国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けることだった。
- 3月14日,土井さんはロボットアームを使ってエンデバーの貨物室からモジュールを取り出し,ISSに設置した。
- モジュールはボルトでISSに固定された。
- その後,土井さんがISSとモジュールの接続の気密性を確認した。
- 土井さんは,ISSのカメラから送信される映像を見ながら,2つのコントローラーを使って,エンデバーのデッキからロボットアームを操作した。
- 2008年3月の自身2度目となる宇宙任務では,日本の実験棟「きぼう」の船内保管室を国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けた。
- また,ISSの平和利用を促進することも仕事に含まれる。
- 土井さんは「宇宙飛行士の職を離れるのは寂しいが,この新しいチャレンジにもわくわくしている。ISSは宇宙における人類の偉大な資産の1つ。ISSが世界中のより多くの人々の役に立つよう,がんばって手助けしたい。」と語った。
- ISS Propulsion Moduleのページへのリンク