IPSと投資プロセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/28 17:36 UTC 版)
投資のプロセスは以下の説明のように、6段階ある。多くの専門家が、この過程の中で、IPSの作文が最も重要な一段階だと信じている。他のすべての段階は、結果的にIPSにたどり着くか、あるいは、IPSによって方向づけがなされる。 所期の探索と発見---- 最初の話し合いと文書の共有で依頼人と顧問の両方が相互に理解を深める。一方、これにより、依頼人の状況、目標、所得ニーズ、制限、現在の持ち株、リスク許容度などがわかる。依頼人もまた、投資顧問の投資哲学、実践、手続きについてできる限り多くを知ろうとするべきである。 話し合いと合意---- 依頼人と投資顧問との間に生じる事柄に関わるすべての問題を協議の検討対象とすべきである。疑問や不明瞭な事柄については、さらなる話し合いが必要になる。最終的には、依頼人と投資顧問は、依頼人の関与の程度、用いられる資産配分、活用される(または活用されない)手段の種類、税務上の考慮事項の扱い方、投資目標、流動性や所得のニーズ、投資制限、投資の方法論、各当事者の他の当事者に対する責任の問題について合意する必要がある。 IPSの作文---- すべての論点および従うべき政策に関して合意に達したら、記録する必要がある。この文書がIPSとなる。依頼人と投資顧問は、各当事者がこの合意を承認していることを示して、その文書に署名する。 投資の実行---- 顧問と依頼人の間に従うべき政策の合意が生じるまでは、責任ある投資取引が行われる可能性を担保するものが存在しない。全当事者がIPSに署名した後に、IPSが提示する指針に従って、初期および継続中の取引を履行することができる。 継続したコミュニケーション---- 会合、報告、その他の意思伝達は、投資顧問と依頼人の間で、通常はIPSで提案された通りに行われるものとする。 モニタリングと調整---- ポートフォリオが永続的に元の構造のままであることは滅多にない。IPSは業績不振の項目に関するポートフォリオの監視方法、業績のよい項目に関する特定方法、リバランスおよびタックス・ロス・ハーベスティングの機会を実践する方法(またはその是非)を記述しなければならず、ポートフォリオがIPSに説明されている目的に沿った状態になるように投資顧問が試そうとするその他のいかなる方法にも対応しなければならない。 依頼人とそのニーズは時間の経過とともに変化する。そのため、顧問は定期的に第一段階である「探索と発見」に戻り、依頼人のその時のニーズと望みに確実に対応することが重要である。毎年あるいは2年に1度、その条項で合意を確実に継続するため、依頼人と投資顧問はIPSを吟味する必要がある。
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