IBM漢字コード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/06 23:54 UTC 版)
「IBM漢字システム」の記事における「IBM漢字コード」の解説
IBM漢字コードはIBM漢字システムが使用している文字コードであり、IBM日本語文字セットと呼ばれることもある。JISC(日本工業標準調査会)がJIS C 6226:1978を策定する前に作られており、この漢字表の1972年4月作成の版がJIS C 6226:1978の制定に当たって参考にされたとする「調査対象漢字表一覧」に含まれている。そのため、JIS C 6226-1978と含まれる文字の種類が共通する部分が多いとはいえ異なる部分が存在しており、共通して含まれる文字についてもその並べ方は当時のメインフレームで通常使用されていたEBCDICをベースにしたものであるため全く異なっており、例えば非漢字部分の英小文字、英大文字、数字、カタカナ、ひらがなの大小関係は以下のようにそれぞれのコードで全く異なっている(比較のためUnicodeでの同様の大小関係も示す)。 IBM漢字コード 英小文字<英大文字<数字<カタカナ<ひらがな JISコード 数字<英大文字<英小文字<ひらがな<カタカナ Unicode ひらがな<カタカナ<数字<英小文字<英大文字 そのため本コードではJISの「区点」によって漢字の位置を指し示すことができず、JISコードとシフトJISコード間のコード変換のような「計算による変換」ができないため、本コードとJISコードやシフトJISコード間でのコード変換をするためには変換表(またはそれに相当する機能)が必要になる。 当初制定された後、JIS C 6226:1978の制定および同規格の改正などに伴って何度か改訂版が作られた。本コードに含まれていなかったが後に制定されたJIS X 0208に含まれている漢字については、改訂版で拾い上げて後から追加登録されている。JIS X 0208の改定に伴って追加された文字も同様に追加されている。逆に本コードに含まれているがJIS X 0208に含まれていないものは、ベンダ選定拡張漢字の一つとしてマイクロソフト標準キャラクタセットにおいてIBM拡張文字として取り込まれ、外字領域を使用する形でIBM製のパソコンで使用することができ、後にWindowsを使用するパソコンで広く使用できるようになった。これらの文字の中には、後からJIS X 0212、JIS X 0213、Unicodeで制定された文字もある。なお、これらの文字のいくつかは、公的規格に含まれている文字だけを入れる方針で作成されつつあったISO/IEC 10646へISO/IEC JTC1/SC2の会議にカナダの代表として出ていたIBMの社員が追加を提案することによって同規格に入ったため、「カナダ文字」または「カナダ漢字」と呼ばれることがある。 IBM漢字コードとその他のコードの対照例文字IBM漢字コードJISコードシフトJISコード拡張X0208区-点X0213面-区-点Unicode区分空白 64 2121 8140 01-01 1-01-01 U+3000 空白 = 638 2161 8181 01-65 1-01-65 U+FF1D 特殊記号 a 641 2361 8281 03-65 1-03-65 U+FF41 英小文字 A 705 2341 8260 03-33 1-03-33 U+FF21 英大文字 0 752 2330 824F 03-16 1-03-16 U+FF10 数字 ア 897 2522 8341 05-02 1-05-02 U+30A2 カタカナ あ 1153 2422 82A0 04-02 1-04-02 U+3042 ひらがな 漢 3928 3441 8ABF 20-33 1-20-33 U+6F22 第一水準漢字 弌 5697 5021 989F 48-01 1-48-01 U+5F0C 第二水準漢字 匤 5995 936B FA8B 115-75 2-03-46 U+5324 IBM拡張漢字 鸙 10238 972B FC4A 119-11 2-94-47 U+9E19 IBM拡張漢字
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