IBM製コンピュータのOS
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 22:16 UTC 版)
「オペレーティングシステムの歴史」の記事における「IBM製コンピュータのOS」の解説
詳細は「IBMメインフレーム用オペレーティングシステムの歴史」を参照 そのような状態は1960年代まで続いていたが、ハードウェアベンダーとして頭角を現していたIBMはそれまで開発していた様々なシステムの開発をやめ、System/360シリーズの開発に集中するようになった。それは小規模なマシンから大規模なマシンまで、すべて同じ命令セットを使い、入出力アーキテクチャを統一したシリーズである。IBMはこのシリーズ向けに単一のオペレーティングシステム OS/360 を開発しようとした。OS/360の開発で発生した問題は半ば伝説となっており、ソフトウェア工学の古典ともいえるフレデリック・ブルックスの『人月の神話』に描かれている。シリーズ全体の性能があまりにも異なり、ソフトウェア開発が遅延したため、実際には単一のOSでシリーズ全体をカバーすることができず、OS/360はOSファミリの一部となった。 IBMは以下の2つのオペレーティングシステムを長くリリースすることになった。 OS/360 - 中規模および大規模向けのOS。3種類の構成オプションが存在した。PCP - 初期ユーザー向け。マルチプログラミング用リソースがない。 MFT - 中規模システム用。OS/360 Release 15/16 にて MFT-II となった。さらに後継として OS/VS1 があったが、1980年代に開発完了。 MVT - 大規模システム用。PCPやMFTとほとんどの面で似ているが(再コンパイルせずに3者間でプログラムの移植が可能)、メモリ管理が洗練されており、タイムシェアリングファシリティ TSO を備えている。MVT の後継としてz/OSなどがある。 DOS/360 - System/360 の小型機種向けで、後継はいくつかあり、z/VSEなどがある。OS/360とは大きく異なる。 IBMは常に互換性を維持してきたため、60年代に開発したプログラムでも現在のz/VSE(DOS/360向けのプログラム場合)やz/OS(MFTやMVT向けのプログラムの場合)で変更なしで実行可能である。 IBMは System/360 Model 67 向けにタイムシェアリングシステムTSS/360 も開発したが、公式にリリースすることはなかった。 System/360やSystem/370向けにサードパーティが開発したOSとしては、Michigan Terminal System (MTS) や MUSIC/SP などがある。
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