IBM東京基礎研究所とは? わかりやすく解説

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IBM東京基礎研究所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/30 11:28 UTC 版)

IBM東京基礎研究所(アイビーエムとうきょうきそけんきゅうじょ、英語:IBM Research - Tokyo)は、IBMの世界で12か所ある主な基礎研究所の一つ。2009年まではIBM Tokyo Research LaboratoryTRL)と呼ばれていた。[1] IBM研究部門IBM Research)の支部で約200名の研究者が在籍している。[2]

Japan Science Institute (JSI) として1982年に東京都千代田区三番町に設立され、1986年にIBM Tokyo Research Laboratory と改称された。1992年に神奈川県大和市に移転し、2012年に東京都江東区豊洲に移転した。2015年に東京都中央区日本橋箱崎町にある日本IBM本社内に移転した。

歴史

IBM東京基礎研究所は1982年にJapan Science Institute (JSI) として東京都千代田区三番町に設立された、IBMのアジア最初の研究所。

初代所長には小林久志が就任し、1982年から1986年まで務めた。

1986年にJSIはIBM東京基礎研究所(TRL)と名称変更された。 1988年にはTRLは英語-日本語機械翻訳システム「System for Human-Assisted Language Translation」(SHALT)を開発した。SHALTはIBMのマニュアルの翻訳に使用された。[3]

1992年にTRLは都心から神奈川県大和市にあるIBM大和事業所内に移転した。[4]

1993年に連続コヒーレント紫外線生成の世界記録を樹立した。 1996年には、Java JITコンパイラが開発され、IBMの主なプラットフォームでリリースされた。 その他、多く技術的ブレイクスルーがTRLで実現された。

2009年にIBMフェロー(IBM Fellow)に就任した浅川智恵子が率いるチームは、視覚障害者のためのソフトウェア技術である、1997年にIBMホームページリーダーを、2007年にIBM aiBrowserを提供した。

2012年にTRLはIBM豊洲事業所に移転し、さらに2015年にIBM本社事業所に移転した。

研究

TRLの研究者は科学や工学におけるブレークスルーに貢献している。 TRLの研究者は数多くの論文を国際会議や国際ジャーナルで論文を発表している。[5][6] IBMの製品やサービスにも貢献し、特許出願している。[7] TRLの研究分野は、マイクロデバイス、 システムソフトウェアコンピュータセキュリティプライバシー解析最適化ヒューマンマシンインターフェース組み込みシステムサービス科学を含む。

その他の活動

TRLは、日本の大学と協力して研究プログラムを支援している。 日本IBMはサーバ、ストレージシステムなどを、Shared University Research(SUR)プログラムの元に日本の大学に寄贈している。[8]

1987年には、日本の大学や研究機関で働く45歳以下の優秀な研究者を表彰するために、日本IBM科学賞が創立された。物理学, 化学, コンピュータ科学、電子工学の各分野を対象とした。

出身者

初代所長の小林久志をはじめとして、出身者の多くが大学教員として転出し、特に日本の大学教育の一翼を担った。

参考文献

  1. ^ Persaud, Ajax; Uma Kumar (2002). Managing synergistic innovations through corporate global R&D, Volume 173. Greenwood Publishing Group. pp. 82–83. ISBN 1-56720-463-5. https://books.google.com/books?id=HsbQG9BbsFgC&pg=PA82&dq=IBM+New+York+Research+Laboratory+-+Managing+synergistic+innovations+through+corporate+global+R%26D&as_brr=3#v=onepage&q=&f=false 
  2. ^ IBM Tokyo Research Laboratory”. IBM. 2009年8月13日閲覧。
  3. ^ TRL 25th Anniversary (1982-2006)”. IBM. 2007年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年8月16日閲覧。
  4. ^ Boutellier, Roman; Oliver Gassmann; Maximilian von Zedtwitz (2008). Managing global innovation: uncovering the secrets of future competitiveness. Springer. p. 203. ISBN 3-540-25441-2. https://books.google.com/books?id=LLLeO5V7qJUC&pg=PA203&dq=In+1993,+IBM+Tokyo+Research+Laboratory#v=onepage&q=&f=false 
  5. ^ Core Research Competency”. IBM. 2009年8月16日閲覧。
  6. ^ Technical Paper”. IBM. 2009年8月21日閲覧。
  7. ^ Research Results”. IBM. 2009年8月16日閲覧。
  8. ^ Collaboration with Academia”. IBM. 2009年8月17日閲覧。

外部リンク

座標: 北緯35度40分45.199秒 東経139度47分12.048秒 / 北緯35.67922194度 東経139.78668000度 / 35.67922194; 139.78668000


IBM東京基礎研究所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 03:32 UTC 版)

日本IBM大和事業所」の記事における「IBM東京基礎研究所」の解説

IBM東京基礎研究所 (Tokyo Research Laboratory、略称 TRL) は、1983年アジア初めてのIBM基礎研究所として東京設立され1993年にこちらへ移っている。米国ニューヨーク州ヨークタウン・ハイツトーマス・J・ワトソン研究所)、スイスチューリッヒなどにあるIBM基礎研究所連絡しながら基礎研究をしている。2008年要員200名。

※この「IBM東京基礎研究所」の解説は、「日本IBM大和事業所」の解説の一部です。
「IBM東京基礎研究所」を含む「日本IBM大和事業所」の記事については、「日本IBM大和事業所」の概要を参照ください。

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