HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)仮説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「HANS(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)仮説」の解説
難病治療研究振興財団理事長・西岡久寿樹、横浜市立大学名誉教授の黒岩義之、横浜市立大学名誉教授の横田俊平、東京医科大学教授中島利博らは、ハンズ(HANS、HPVワクチン関連神経免疫異常症候群)という概念を提唱した。このグループは、アルミニウム化合物に疑念を持っているとされるが、一方でHANSはHPVワクチンの特有の全く新しい疾患だとしている。 2016年7月の産婦人科感染症学会で開催されたHPVワクチンの安全性を議論するシンポジウムでは、HPVワクチンの成分かアジュバントか、ワクチンのどこに問題があるのかという質問に同グループの東京医大小児科の横田俊平は「(HPVワクチン)全体に不備がある」と答えるに留まった。 HANS提唱グループは、2016年11月11日にイギリスの科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』に、マウスを用いたHPVワクチンの安全性を問う実験結果の論文でHPVワクチン薬害を主張したが、この論文は各国の研究者から「研究の欠陥や不一致にも関わらず、注射されたマウスで観察された症状は『HANS』とされる患者と重なっていると結論付けてしまっている」と批判を受けた。 2018年5月11日に同誌は「大量のHPVワクチンと百日咳毒素の同時投与は、HPVワクチンが単独で神経学的な損傷を与えることを判定するためには適切な手法ではない」として論文の撤回を発表した。論文を批判する医師らは、「この論文が予防接種プログラムに与えたダメージによって、日本や世界の現世代の女子たちが被った将来の健康リスクは重大で致命的だ」として批判した。 なお、B型肝炎ワクチンについて、MMFとされる症状との間の因果関係についても既に否定されている。WHOも1999年、2002年、2004年にアジュバントの安全声明を出している。 ワクチンの副作用は接種後6週間から8週間内に起こることが歴史的に知られているのに対し、HANSではHPVワクチン接種後から発症まで平均194日と半年以上経過した例が多数含まれる。また接種者と非接種者との頻度の比較が行われていないとの指摘がある。 池田修一の所属した信州大学医学部医学部では、HPVワクチン接種後の疑いのある症候群の検査中に患者がXXXX症候群と診断された症例を『サイエンティフィック・リポーツ』で報告している。HPV免疫後の疑わしい副作用は、特定の障害が原因である可能性のある複雑な状態だとしている。
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