Fantaisie Wandererfantasie D 760 Op.15とは? わかりやすく解説

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シューベルト:幻想曲 ハ長調「さすらい人幻想曲」

英語表記/番号出版情報
シューベルト幻想曲 ハ長調さすらい人幻想曲Fantaisie 'Wandererfantasie'  D 760 Op.15作曲年1822年  出版年1823年  初版出版地/出版社: Cappi & Diabelli 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 第1楽章 Mov.1 Allegro con fuoco, ma non troppo 6分30秒 No Image
2 第2楽章 Mov.2 Adagio (Der Wanderer)6分30秒 No Image
3 第3楽章 Mov.3 Presto 5分00 No Image
4 第4楽章 Mov.4 Allegro4分00 No Image

作品解説

2007年5月 執筆者: 稲田 小絵子

 さまざまな点で異例作品である。まず、幻想曲といいながらその実質は切れ目なく続く4楽章ソナタ則っているという点。速度表記調性拍子変化によって明確に区切られていることから、シューベルト自身ソナタ風の幻想曲意図していたと考えられる
次に比較自由な作曲を得意とするシューベルトが、ベートーヴェン的な作品構築挑んでいる点。この作品では、冒頭の音型によって全体統一されているのであるそもそもタイトルの《さすらい人》とは、第2楽章引用され作曲家本人同名リート由来している。第1楽章主題はその伴奏音型を利用したものであり、決し旋律として優美とはいえない。にもかかわらずその特徴的なリズム全曲わたって生かしている点で例外的なのである
さらに、シューベルト対位法苦手なことでも知られているが、第4楽章敢えてそれを取り入れている点。終楽章でのフーガといえばベートーヴェン特徴的である。同時代先輩対す尊敬の念とも考えられる
最後に家庭音楽としての穏やかな曲想の多いシューベルト作品中でも、この幻想曲激しく魅せる部分をもち、かなり高度な技術要求するという点。作曲家自身ですら弾きこなすことができず、「こんな曲は悪魔にでも弾かせろ」と叫んだエピソードはよく知られている。
このようにシューベルトにとって特殊な作品であるが、しかし彼特有の愛らしい旋律随所見られ、得意の和声変化魅力的に用いられているシューベルトらしい作品でもあるのだ。そして何よりソナタ風ではあるが、主題自由に即興的に発展している点で、あくまでも幻想曲であることを忘れてならないだろう。

第1楽章:アレグロ・コン・フォーコ・マ・ノン・トロッポ、ハ長調4/4拍子ソナタ形式だが、再現部省略されている。これは、楽章ごとに完結せず全体的な統一計画しているためだろう。
第2楽章アダージョ嬰ハ短調2/2拍子変奏形式。この主題が《さすらい人》D649である。この楽章は相当の技巧を必要とするが、最も変化富んでおり、主題の展開を楽しむことができる。
第3楽章プレスト変イ長調3/4拍子性格的に形式的にも、スケルツォ楽章思われる。ただし、最後発展的に進行し最終楽章へと続く。
第4楽章アレグロハ長調4/4拍子第1楽章調性拍子戻ってきた。フーガで始まるこの楽章は、再び冒頭楽章力強さをみせ、フィナーレにふさわしい華々しさ全曲閉じる。




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