6日間レースの現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/11 05:51 UTC 版)
「6日間レース (自転車競技)」の記事における「6日間レースの現状」の解説
6日間レースが開催される時期というのは丁度サッカーのシーズン真っ最中ということもあり、多くの人の興味はサッカーへと向かうが、北欧については寒さが厳しい折、一時的にサッカーのリーグ戦等が中断される国がある。 とりわけドイツでは、ブンデスリーガが12月中旬から2月中旬にかけて中断されるため、一部の大会を除き、その中断期間中に集中して開催される。したがってドイツではサッカー中断時における娯楽と言えば、かつては6日間レースしかなかったといっても過言ではなかった(他にはハンドボールがある程度)。そのため、かつてはドイツでは人気が高かった。とりわけ2011年の大会で100回目のレースを迎えたベルリン6日間レースは現在も観客数が多く、最盛期には1シーズン2回の開催が行われたこともある。また、他国が6日間レース衰退の流れを受けて開催休止が相次ぐ中、ドイツだけは21世紀に入っても、2007年を端緒とする世界金融不況が発生する前までは、1シーズンに常時5 - 6レースが行われていた。 さらに現在、オランダ、ベルギー以外の中欧・南欧地域では、6日間レース自体開催されることがほとんどなくなった。フランスではかつて6日間レースの華と言われたパリの大会が行われていたが、1989年を最後に休止され、2011年現在はグルノーブルだけでしか行われていない。また、パリと同じく人気を誇ったイタリアのミラノも1999年で開催が終了し、その後、パオロ・ベッティーニの引退レースとなった2008年に復活しただけにとどまっている。さらにマディソン発祥の地・アメリカ合衆国でもニューヨークの他、かつてはいくつかの大都市で開催されていたが、今は全て姿を消している。ベルギーも、「国技」的な人気を誇るシクロクロス人気に押され、ヘント6日間レースしか行われていない。 また、かつては、エディ・メルクスやリック・バンステーンベルヘン、ルディ・アルティヒ、エリック・ツァベルなど、著名ロード選手がオフシーズンのトレーニングの一環として参加することが少なくなかった背景により、1950年 - 1970年代にかけては、欧州各地でくまなく開催されるなど、全盛の人気を誇った6日間レースだが、今ではロードレースの開催が世界的に広域化していることに起因して、ロードレース選手の参加が著しく減少したことで、ファンの興味が急速に失われていった。加えて、同じく冬季に開催されているシクロクロスのほうに人気を奪われがちとなっている。
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