2008年(平成20年)成立・2009年(平成21年)施行の改正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 04:14 UTC 版)
「国籍法 (日本)」の記事における「2008年(平成20年)成立・2009年(平成21年)施行の改正」の解説
2008年(平成20年)12月31日まで本条による国籍取得は、父の認知に加え、父母の婚姻をも要件としていた。このことについて、出生後に父母が法律婚をして婚姻準正された子には日本国籍が認められることと比較して、準正を受けない子が日本国籍を取得できないのは法の下の平等に反するとして、本規定の合憲性につき裁判で争われたが、2008年(平成20年)6月4日最高裁判所大法廷は本規定が憲法第14条に違反するとして、日本国籍を認めなかった2審判決を破棄し、準正を受けない子の日本国籍取得を認めた(参照:違憲判決、婚外子国籍訴訟、非嫡出子)。 この判決を受け、法務省では国籍法改正の検討を開始し、当分の間は非嫡出子からの国籍取得届の扱いは留保させる形とした。その後の2008年(平成20年)12月5日、父母の婚姻を国籍取得要件から外し、日本人の親に認知されることだけを要件とするとともに、偽装認知に1年以下の懲役又は20万円以下の罰金を科すことを骨子とする国籍法改正案が自公内閣から提出された。 しかし、この改正については成立前から保守系メディアやネット上で偽装認知に悪用されるおそれがあるとの大きな反対論が巻き起こり、自民党の保守派議員や民主党の保守派議員や国民新党、新党日本、川田龍平などの反対派が認知の届出の際にDNA鑑定の義務づけを要求したが、法案には盛り込まれなかった。偽装認知の防止策として、疑義がある場合は、父親と子供が一緒に写った写真の提出を可能な限り求めること、施行状況を半年ごとに国会に報告し、科学的な確認方法の導入を検討することが決まった。この法案は衆議院では第一党である自民党も含め、全会一致で可決し、参議院では国民新党・新党日本の反対があったものの賛成多数で可決され、成立し、2009年(平成21年)1月1日施行された。 これにより、日本人父と外国人母の子で生前認知を受けていない子が日本国籍を取得する方法は、父母の婚姻の有無にかかわらず父の認知を受けるか、あるいは強制認知の確定判決を得て法務局で法務大臣宛てに国籍取得届を提出する方法により、日本国籍を取得することが可能となる。この場合、国によっては国籍取得届の提出とともに外国籍を自動喪失する場合があるので注意が必要である。 「国籍法改正問題」も参照
※この「2008年(平成20年)成立・2009年(平成21年)施行の改正」の解説は、「国籍法 (日本)」の解説の一部です。
「2008年(平成20年)成立・2009年(平成21年)施行の改正」を含む「国籍法 (日本)」の記事については、「国籍法 (日本)」の概要を参照ください。
- 2008年成立2009年施行の改正のページへのリンク