2進接頭辞とSI接頭語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/08 08:27 UTC 版)
「2進接頭辞」の記事における「2進接頭辞とSI接頭語」の解説
IEC規格でない旧来の2進接頭辞とSI接頭語の使い分けは分野や場合によっては曖昧で混乱しており、キロがSI接頭語の1000であるか2進接頭辞の1024であるかはそれだけではわからない事もある。キロでは双方の差は約2%だが、メガで約5%、ギガで約7%、テラで約10%と乗数が大きくなるにつれその差も大きくなる。俗に、1024にはkではなくKを用い、「ケー」と称するという流儀もある。 IEC 60027-2:2005によりSI接頭語とは異なる名称と記号を持つ2進接頭辞が導入されたことを受け、2006年に発行された国際単位系国際文書第8版では、SI接頭語は10の整数乗を表すことを改めて強調した上で、SI接頭語を2の冪乗を表すために用いてはならないとしている。IEC 60027-2:2005の2進接頭辞はSIには属さない。 一般的に半導体メモリの構造に起因するデータの大きさの単位では2進接頭辞が、それ以外でSI接頭語が使用される。しかしメモリ関連であっても場面によっては十進法に基づくSI接頭語の方が量の比較や計算が行いやすい利便性があるため、両者の使い分けが考えられる。そのため2進接頭辞はIEC規格での明確な表示が必要となる。 RAMやROM、SSD、USBメモリなど半導体メモリの容量は2進接頭辞が使用される。1キロバイト=1024バイト、1メガバイト=1024キロバイトである。 CPU等のクロック周波数やサンプリング周波数など周波数にはSI接頭語が使用される。2.4ギガヘルツは2 400 000 000ヘルツである。周波数の単位は計量単位なので各国の計量法規の規制を受ける。日本では計量法等により国際単位系を用いるので周波数の単位で2進接頭辞は利用できない。 通信速度、また音声や映像の圧縮やストリーミングでのビットレートではSI接頭語が使用される。1メガビット/秒は1 000 000ビット/秒である。 フロッピーディスクの容量では2進接頭辞とSI接頭語の混合した単位が使用される場合がある。2HDフロッピーディスクの、(512バイト/セクタ) × (18セクタ/トラック) × (80トラック/面) × (2面) フォーマットの容量はしばしば「1.44メガバイト」とされるが、正確には1.44 × 1000 × 1024バイト(1440キビバイト)の容量を持っている。この場合の "メガ" は1000 × 1024であり、SI接頭語でも2進接頭辞でもない。いずれかを使用するなら1.47メガバイトまたは1.41メビバイトとなる。 ハードディスクドライブの容量ではSI接頭語が使用される。これは同じハードディスクでもSI接頭語で表示したほうが見かけの数字がより大きくなるというマーケティング上の理由からであると考えられている。[誰によって?]例えば100ギガバイトのハードディスクドライブはおよそ100 × 1000 × 1000 × 1000バイト(100 × 109バイト)の容量を持っている。しかしOS等の表示は2進接頭辞を使用している場合が多く、100ギガバイトのハードディスクがOS上で93ギガバイト前後と表示されるなど、ハードディスクドライブの容量表示とOSでの容量表示は食い違う場合が多い。そのためSI接頭語で表した製品の箱(ケース)や説明書などに小さく「OSの表示により、容量が小さく表示されることがあります。」等と表記されていることが多い。 ファイルや電子ドキュメントの大きさは伝統的に2進接頭辞が使われる場合が多い。これはWindowsのデフォルトがそうなっているためと思われる。
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