1940年度計画
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1939年7月初旬、次年度たる1940年度計画の策定が行われた。すでにナチス・ドイツの脅威が顕在化しており、一朝事あらば開戦をも辞さない覚悟を固めていたイギリスは前年度の方針から転換し、海軍力増強へと舵をきるものになった。 戦艦×3 - ライオン級×2、新高速戦艦(15インチ砲)×1 ライオン級は42ヶ月、新高速戦艦は36ヶ月での完成を予定。 航空母艦×1~2 - インプラカブル級 巡洋艦×7~9 - フィジー級またはダイドー級 高速敷設艦×2 - アブディール級 駆逐艦×16(2個戦隊) - K級または新型 護衛艦×4 - ハント級 スループ×4 - ブラック・スワン級 各種母艦×2 新高速戦艦は、日本が建造すると想定した新巡洋戦艦へのカウンターパートとして計画された、R級戦艦の主砲塔を転用した3万8千~4万トン級である。また本艦は、当時世界の一つの潮流であった中型戦艦に対するイギリスの回答でもある。各国が建造もしくは計画した3万トン余、12インチ級砲の「巡洋戦艦」「大型巡洋艦」に対して、イギリスが用意しようとしたのは4万トン弱、15インチ砲だが転用によってコストを抑えた「戦艦」だった。イギリス海軍では他国のような12インチ級搭載艦の整備構想が本格的に練られた形跡はなく、旧式艦退役に伴い大量に発生する15インチ連装砲塔の有効活用という側面もあり、かなり早い段階で本案の骨子は固まっていたようである(上記1937年の戦力想定においてすでに言及がある)。後にイギリス最後の戦艦『ヴァンガード』として結実するこのプランは、戦前それも無条約時代に入ってすぐの時点ですでに存在していたのである。
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