CO2削減
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/02 08:22 UTC 版)
CO2削減の効果は、レジ袋使用時とマイバッグ使用時の環境負荷を比較することで明らかとなる。レジ袋1枚(大型のもの)を作るのに必要な原油は約18.3ml、原油1l当たりの二酸化炭素排出量(固有単位当たり係数)は0.7225kgCなので、レジ袋を削減して製造量も同時に減らしたと仮定し、マイバッグの環境負荷を無視した場合、レジ袋1枚あたり0.013222kgC (=13.2gC) の削減効果があると考えられる。 買い物袋の環境負荷と合わせて考えるには、マイバッグ1袋を作るのに必要な原油の量と、マイバッグ1袋をレジ袋何枚分使用するか(レジ袋代替枚数)を算出し、1枚当たり必要原油量 (l) × 0.7225 (kgC) ÷ レジ袋代替枚数(枚)を計算すればよい。この計算で出る値はレジ袋1枚分に換算したマイバッグの環境負荷なので、この値とレジ袋1枚あたりの値0.013222kgC (=13.2gC) を比較し、後者のほうが大きい場合に効果があるといえる。ただし、これは焼却処分時のCO2だけを考えたもので、ライフサイクルアセスメント (LCA) の手法では、原料採取・製造・輸送・販売で使用するエネルギーまで考慮に入れなければいけない。 また、マイバッグの使用による環境負荷軽減の効果は、同じマイバッグを長くたくさん使い続けるほど大きくなる。同じように、必要な原油量がより少ない買い物袋に変えたり(石油原料の合成繊維製から天然繊維製に変える、など)、エネルギー消費なども考えたLCA基準で環境負荷が少ないマイバッグに変えることで、効果は大きくなる。 2007年の富山国際大学地域学部紀要に於ける桑原宣彰教授の研究では、レジ袋、マイバスケット、複数の種類のマイバッグ、それぞれを使用した場合の環境負荷が比較された。それによれば、全てリサイクル使用を前提にした場合で、ポリプロピレン製マイバスケットなら58回、ナイロン製多機能型マイバッグなら101回、ポリエステル製PET再生品マイバッグなら11回、ナイロン製マイバッグなら34回使用すれば環境負荷を低減出来るとされた。 2009年の日本LCA学会研究発表会に於いて、中国で製造され日本に輸入されるという前提条件でレジ袋とマイバッグそれぞれのCO2排出量の比較調査報告が行われた。それによればマイバッグ1袋あたりの CO2排出量はレジ袋1枚の約50倍となっており、これは一人の消費者が購入したマイバッグを約50回使用すれば、CO2の増加と減少のバランスが取れる事を意味する。しかしその一方で、レジ袋を使用しない場合はレジ袋が果たしていたゴミ袋としての役割が果たせなくなり、他の袋を新たに用意する必要が出てきて環境負荷が増大したり、またマイバッグを繰り返し使用する際に洗剤を使用して洗うとその分だけ環境負荷が増大したりする。それらを考慮すれば単純にマイバッグを約50回使用しただけではCO2を削減出来ず、更に多い回数を使用して初めてCO2削減効果をもたらすことが出来るとされた。 2011年にイギリスの環境庁が発表したLCA報告書によると、レジ袋を再利用しないという前提で、コットンのバッグなら131回、厚手の低密度ポリエチレン(LDPE)製のエコバッグなら4回使えば環境負荷を減らせるとされた。 2018年にデンマークの環境保護庁が発表したLCAによると、ポリエステル製のバッグなら35回、漂白された紙袋なら43回、オーガニックコットン製なら20,000回再利用すれば環境負荷を減らせるとされた。
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