黒い聖母
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/17 16:58 UTC 版)
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黒い聖母(くろいせいぼ)は、黒色の聖母マリアおよび聖母子像。

なぜ黒い肌か謎で、キリスト教信仰以前にオリエント一帯、またはケルト文化圏に広まっていた大地母神信仰が吸収されたとする説、エジプトのイシス信仰と結び付けコプト教の影響をみる説等がある[1][2]。
ヨーロッパ各地にあり、約500体が知られるが、特にフランスには200体以上が存在する。埃やろうそくの煤で汚れて黒くなったものもあるが、大部分は黒が本来の色であるとみられる。中世、多くが11世紀から15世紀にかけて製作され、ほとんどが木製である[1]。
マグダラのマリアを信仰するグノーシス主義キリスト教の一派は、特徴として、黒い聖母マリア像を持っていたとされる[要出典]。
芥川龍之介の短編作品に「黒衣聖母」の名で登場し、不気味なモチーフとして扱われている。
日本の黒い聖母

山形県鶴岡市にある鶴岡カトリック教会天主堂の祭壇に飾られている。1903年に天主堂の竣工記念にフランス ノルマンディー州 ドーバー・ラ・デリヴランデのデリブランド修道院から寄贈された。ノートルダム・ド・ラ・デリヴランデ聖堂 (fr:Basilique Notre-Dame de la Délivrande) にある黒い聖母像の複製として、木の芯に石膏を被せてフランスで作られた。日本にある「黒い聖母像」はこの一体のみである[3]。
世界の黒い聖母の例

- モンセラートの聖母 - カタルーニャ(スペイン)
- グアダルーペの聖母 - メキシコ
- ル・ピュイの聖母 - フランス
- ロカマドゥールの聖母 - フランス;フランスの作曲家フランシス・プーランクに、『ロカマドゥールの黒い聖母への連檮』と題された合唱曲がある
- ロレートの聖母 - イタリア
- Argemeの聖母 - コリア(スペイン)
- カンデラリアの聖母 - テネリフェ島 (スペイン)
脚注
- ^ a b “アンティークアナスタシア 神戸北野町 聖母マリアに関するレファレンス フランス 黒い聖母”. アンティーク アナスタシア. 2025年6月18日閲覧。
- ^ “黒いマリア像、コンポステーラの道の始点、ル・ピュイのノートルダム大聖堂 みゅうパリブログ”. 株式会社 ミキ・ツーリスト. 2025年6月18日閲覧。
- ^ カトリック鶴岡教会. “鶴岡カトリック教会へようこそ”. 2020年8月14日閲覧。
参考文献
- 田中仁彦『黒マリアの謎』岩波書店、1993年。
- 中丸明『聖母マリア信仰』文春文庫、1999年。
- 馬杉 宗夫『黒い聖母と悪魔の謎』講談社学術文庫、2007年。
- イアン・ベッグ『黒い聖母崇拝の博物誌』三交社、1994年。
関連項目
- 大地母神
- イシス - エジプトの女神。ホルスの母。黒い肌を持つ。ローマ帝国において流行していたイシス信仰は、キリスト教の隆盛とともにマリア信仰に変わっていったとされる。
- カーリー・マー
- マグダラのマリアによる福音書
- マルコムX - イエス・キリストやイエスの母マリアは黒人であると主張していた。
- 『絡新婦の理』(1996年) - 推理小説。黒い聖母の像の前で儀式を行うと、呪い殺したい対象者が死亡する。
- 『リリィ、はちみつ色の秘密』(2008年) - 黒い聖母がモチーフになっているアメリカ映画。
- バフォメット
- イエスの母マリア
- 神の母
- 生神女
- マリア像
- 黒い太陽(ブラックサン)
- マリア・ピァ・アーモニア
外部リンク
- Black Madonna - 写真あり
黒い聖母(くろいせいぼ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 09:39 UTC 版)
「絡新婦の理」の記事における「黒い聖母(くろいせいぼ)」の解説
聖ベルナール女学院七不思議の一つ、徘徊して血を吸うという小像。男を呪い殺す悪魔。渡辺小夜子が本田幸三を呪い殺すよう願った。
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