高齢者施設におけるコロナウイルス死者数隠蔽疑惑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 13:39 UTC 版)
「アンドリュー・クオモ」の記事における「高齢者施設におけるコロナウイルス死者数隠蔽疑惑」の解説
詳細は「ニューヨーク州高齢者施設における新型コロナウイルス感染症に関する疑惑(英語版)」を参照 ニューヨーク州政府は2020年3月25日、入院中の9,000人の陽性の高齢者を養護施設や生活支援施設(ナーシングホーム)に送致する措置を開始した。さらに病床確保のため、新型コロナ感染を理由とした施設の入所拒否を禁止した。これらの施設で感染が増大するという指摘があったために送致は中断されたが、ニューヨーク州政府は養護施設や生活支援施設へ送致された人数を過小に報告しているという指摘が2020年5月頃からAP通信によって行われており、連邦司法省や州議会議員からも施設での死者数を明らかにするよう要求を受けていたが、クオモ政権は応じなかった。結局、州当局がこの過小報告を認めたのは2021年2月になってからだった。また2021年1月末の時点でこれら施設の死者は8,500人であり、2020年3月から8月の期間には6,500人が死亡したと発表されていたが、2月にはレティシア・ジェームズ(英語版)州司法長官が2020年3月から8月の期間の死者は2倍以上になる可能性があるという報告書を提出した。これを受けて州政府は実際の死者は2021年1月末までの時点で1万5千人であると発表した。このためクオモは養護施設や生活支援施設での死者数を隠蔽していたと批判されている。 2月10日にはクオモ側近のメリッサ・デローザが州議会議員との電話会議で隠蔽について謝罪し、「死者数の情報が連邦政府の攻撃材料になる」ことをおそれて「凍結した」と述べたことがニューヨーク・ポストによって報じられた。クオモは2月15日の記者会見で、「できるだけ多くの情報を迅速に提供すべきだった」と謝罪したが、意図的な隠蔽は否定、「みんな忙しかった」と述べ、「死者数の修正が遅れただけ」と述べ、「言い訳はしない。責任は取る」とも語った。しかし州議会における共和党・民主党両派がクオモを批判しており、電話会議にも参加していた民主党のロン・キム(英語版)議員は「クオモ氏は(議会を)裏切ろうとした。卑劣を超えている」と述べている。2月17日頃からは連邦捜査局と連邦検察官による捜査が開始されている。 また、キム議員は2月17日にの施設での死者の取り扱いを質問した後、クオモから電話でこの種の発言をするならば「お前を破滅させる」という脅迫と恫喝を行われたと述べている。クオモの報道官はこれを否定しているが、かねてからクオモと不仲で知られていたニューヨーク市長のビル・デブラシオは、「悲しいことだが、それは古典的なアンドリュー・クオモだ。ニューヨーク州の多くの人がそのような電話を受けている」と、キムの発言を支持している。ワシントン・ポストは、メディア出演を繰り返すクオモに送致人数の過小報告について強く追求したメディアがなかったことを指摘し、メディアがクオモの隠蔽に手を貸したのではないかとしている。 クオモ辞職後の2021年8月25日、後任のキャシー・ホウクルニューヨーク州知事は、クオモ時代には死者数に算入されていなかった、自宅での死亡など約1万2000人をコロナウイルスによる死者数に組み入れることを発表した。これにより、この時点での累計死者数は約5万5000人となっている。
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