高機能サニタリーショーツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/27 08:32 UTC 版)
「サニタリーショーツ」の記事における「高機能サニタリーショーツ」の解説
夜間就寝時の不安軽減のため、高い吸収力、吸収容量、広い吸収範囲をもつ夜用大型ナプキンが開発されたが、これを昼間の活動時にも利用する女性が増加している。通常サイズのナプキンよりもはるかに高い吸収能力をもつ夜用大型ナプキンであれば、長時間にわたる行動時においても肌に触れる表面シートの湿りによる不快感が低く、吸収容量が大きい為、交換時期を気にせず行動できるなど、失敗の少なさの利点が、値段の高さや大型サイズであるがゆえの行動時の違和感などの短所を上回ると考えられるからであろう。こうしたことから、夜用大型ナプキンの昼間の装着性をより快適にする、高機能なサニタリーショーツも開発されている。 夜用大型ナプキンの厳密な定義はないが、おおむね全長25cmを越すナプキンで、中には最長40cmを超えるものもあり、ナプキン後部は腰の位置まで達する。昼間用と同様に薄型のスリムタイプと通常の厚さのものとがある。形状は、ショーツに安定して固定するため、クロッチに対応する部分に左右にサイドウィング(羽)をもつものが大部分である。また、後ろ側に向かって幅が広がるものが多く、バックガードと呼ばれる。また、後端の幅が特に広い場合には、バックウィングとも呼ばれる。夜間就寝時に利用する場合は、通常、ナイト用サニタリーショーツと併用される。このような夜用大型ナプキンを昼間の活動に利用する場合には、夜間就寝時とは異なるいくらかの困難が伴う。 一般のナイト用サニタリーショーツは広くて長い防水シートをもつため、面積の大きい接着テープを持つ夜用大型ナプキンであっても、その全体をしっかりと固定できるが、昼間利用時には蒸れやすく、また防水シートが直接肌と接触するところでは、かゆみなどのトラブルを引き起こしやすい。さらに、防水シートは伸縮性に乏しいため、ヒップラインやヒップの中心線があいまいになり、ナプキンラインがアウターに響きやすい。他方、通常のサニタリーショーツでは、夜用大型ナプキンの後端(バックガード部)がクロッチの防水シートをはみだして、伸縮性の高い後ろ身頃にまたがってしまう。このため、装着時や装着中の体の動きにより、ナプキンが波打って体とすき間が生じ、漏れの原因となったり、活動時に違和感をもたらしやすい。また、ショーツの後ろ身頃は生地が薄く、夜用大型ナプキン特有の厚みによる段差がそのままアウターに響きやすい。 高機能サニタリーショーツは、通常のサニタリーショーツに比べて通気性・弾力性の高い生地を用い、蒸れを抑えながらナプキン全体を運動時にも安定して体にフィットさせるとともに、アウターへの影響を最小限にする。クロッチ部はナプキンの羽に適したカーブのダブルクロッチ構造をもち、ナプキンをショーツにしっかりと固定する。また、身頃はすべりが良く通気性の高いマイクロファイバーや弾力性が高いパワーネットなどの生地を組み合わせて用いる。いわばサニタリーショーツとガードルの両機能を合わせもつともいえる。このようにして、ナプキンバックガード部全体を臀部に密着させてヒップラインを整え、また、バックギャザーなどでナプキンバックガード部のセンターを体側にリフトアップして漏れを防ぐとともにヒップの中心線をきれいに保つ。 高機能サニタリーショーツは、経血の量が多い女性の自由な活動にとって大きな助けとなるが、価格がやや高く、また、デザインや色などの選択肢が乏しいのが難点である。 尚、生理用品メーカーは下着会社とタイアップし生理用ショーツを製造販売している。
※この「高機能サニタリーショーツ」の解説は、「サニタリーショーツ」の解説の一部です。
「高機能サニタリーショーツ」を含む「サニタリーショーツ」の記事については、「サニタリーショーツ」の概要を参照ください。
- 高機能サニタリーショーツのページへのリンク