音楽性の評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 01:11 UTC 版)
音楽文化の伝統は1種類ではないため、それぞれの文化やジャンルに対して音楽性が規定できる。例えば、ギターの弾き語りに高い音楽性を示す人が、ロックでも高い音楽性を持っているとは限らない。そこで、音楽民族学者のジョン・ブラッキング(英語版)は、「人間の音楽性を評価する際に音楽外的な諸過程を考慮しなければならない」と主張し、音楽療法士のブリュンユルフ・スティーゲ(ノルウェー語版)は音楽性に代えて、誰もが音を通じて表現したり、コミュニケーションをとったりする能力として原音楽性(英語: protomusicality)という概念を提唱した。 個人に対してだけでなく、特定の集団に音楽性を規定することもできる。例えば、竹澤恭子はアメリカの音楽性を「明快で積極性を前面に押し出す」、フランスの音楽性を「マイナスの表現をする」と評している。 ピアノコンクールでは、アーティキュレーション、デュナーミク、フレージング(英語版)の差異を審査員が経験に基づいて判定し、音楽性の高低を評価する。筑波大学准教授の山際伸一らは、楽譜通りに作成したMIDIデータと実際の演奏音源データとのずれ・差異をコンピュータ処理することで、音楽性の類似度をAIで数値化することに成功した。将来的にはAIによるピアノコンクールの審査、インターネットを介した音楽性の類似するバンドメンバーの募集などができる可能性がある。 行達也は自らの経験より、音楽性の男女差について言及した。行は、ライブハウスで音楽を聴く際に女性が歌詞を重視するのに対し、男性は楽曲やメロディを重視する傾向があり、それがその人の音楽性となって演奏に反映される旨を述べた。その結果、歌詞と楽曲の一方だけ良い歌が多く生まれ、結局売れずに終わることになる。
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