電球方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 09:14 UTC 版)
発光体に電球を使用したものであり、電光掲示板としては最も古いものである。黒地の板に配置された多数の電球によってドットマトリクス的に文字や記号による情報(ニュース、天気予報、時刻など)、またはモノクロームの映像を表示する型と、複数の情報が塗装されたガラスまたはプラスチック板の後ろに電球を配置して光を透過させて表示を強調し、またその点灯場所を適宜切り替えることでステータス表示を行う「行灯型」とがある。主に白ないしは黄色の単色電球が使われた。 前者の型は、輝度が高く大型に製造できることから屋外での利用に向いている。ただし、電球の寿命による抜け(暗点)が生じやすいため、定期的なメンテナンスが必要であるほか、消費電力が大きい、多色化が難しい、などの問題を持つ。 この方式は、1927年11月6日にアメリカ合衆国のニューヨーク・タイムズ社がニュース速報のために本社ビルに設置したのが歴史上最初とされる。日本では、その翌年に朝日新聞社が東京と大阪双方の本社屋側面に「電光ニュース」と題するニュース配信用の電光掲示板を設置したのが最初とされる。その他日本の代表的な設置施設には後楽園球場(スコアボード)、大阪マルビル(屋上の電光ニュース盤)などがあった。コンピュータ制御の無い時代は、表示パターンで穴を空けた絶縁物(パンチカードなど)を電極にセットして通電の有無でドットを点灯させていた。スクロールさせる場合は絶縁物をテープ状にしてモーターで回していた。電光時計や駅の発車標など表示パターンが決まっている物は、配線で表示パターンを用意しておいて電気時計と連動させて表示を切り替えていた。 この方式は、制御基板の故障などを機に、構造はそのまま、LED方式(後述)に替わられつつある。映像表示用途の場合は、早期にブラウン管(後述)に替えられている。 後者は屋内用途に向く。鉄道駅、バス車内、工場(アンドン参照)、病院の院内薬局の待合室などで用いられた。これは1990年頃からLEDによる7セグメントディスプレイ(8の字)などにほぼ取って代わられた。
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