電球式信号機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 00:59 UTC 版)
電球式の信号機は内面にプリズムを持つレンズと、回転放物面をなした反射鏡が一体化されたセミシールド型の構造であった。その焦点に電球のフィラメントを置くことで平行光線を得ることができ、さらにレンズが持つプリズムによって左右および下方に光を拡散させた。電球には白熱タングステン電球が用いられ、消費電力が60 Wと100 Wのものには「道路交通信号用電球」としてJIS規格が定められている。なお、道路交通信号用電球は家庭用電球と比べ振動に強く、家庭用電球の約12倍の12000時間もの寿命を持つ。この電球は約1年(9,000時間)を目安に交換される。 電球は最初は100 W(ワット)の白熱電球が用いられてきた。その後、オイルショックなどにより信号機にも省エネルギー化が必要となり、レンズの改良や電球の高効率化によって60 W(一部は70 W)の電球も用いられるようになった。この高効率化で生まれた電球がバンドミラー型交通信号用電球であり、1980年(昭和50年)に仕様化されている。光の輻射効率を向上させた電球であり、従来の30 %の電力削減となった。その後、1987年(昭和61年)にバンドミラー型交通信号用電球から消費電力を15 %削減した交通信号用電球が松下電器によって開発された。 一方で、電球の改良による反射効率の改善により、太陽光が反射してあたかも点灯しているように見える「疑似点灯」の問題が顕在化した。そのため、この疑似点灯を防止する方策が様々考えられてきたが、電球式信号機での決定的な対策方法は見つからず、LED式信号機の誕生によって全面的に解決された。
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