陰謀論者が問題視する政府の公式説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 09:11 UTC 版)
「ケネディ大統領暗殺事件」の記事における「陰謀論者が問題視する政府の公式説明」の解説
ザプルーダー・フィルムでは、大統領の頭部が弾丸の衝撃により破壊された直後に大統領の上半身は後方に動いている。また、脳の一部が後方にも飛んでいる。この映像について、その致命的な射撃は前方から行われたようにも見えることから、前方にも射撃手がいたとする議論がある。 海兵隊時代のオズワルドは、特級射手 (expert)、一級射手 (sharpshooter) 、二級射手 (marksman)の資格について、1956年12月に一級射手の資格に必要な得点をクリアしており、射撃の技量が高かったとされているが、1959年5月には二級射手の資格に必要な得点はクリアしているものの一級射手の資格に必要な得点はクリアしていない。 教科書ビルの窓の外には常緑樹が茂っており、木の葉が邪魔して狙いにくい。さらに、政府側報告(ウォーレン委員会)によるオズワルドが使用したボルトアクション方式のカルカノ銃では 5-6 秒程度の間に三発発射し二発を命中させるのは非常に困難であり、事件後から現在に至るまで行われた検証実験で成功した例は皆無である。また、通常は一発目、二発目、三発目と順を追うごとに照準に狂いが生じるものだが、致命傷を与えた最も正確な射撃は3発目とされている(ザプルーダー・フィルムの分析から発射した時間は 5-6 秒より長いとする説もある)。 (大統領頸部への1銃弾を考慮すると、)大統領とその同乗者の他の被弾箇所(約5箇所)が政府見解である1発の銃弾で説明できるか(いわゆる「魔法の銃弾」の謎。アメリカのケーブルTV番組ディスカバリーチャンネルによる再現実験では、ザプルーダフィルム223コマ目における位置を再現しカルカノ銃を使用した銃創は、一直線の弾道とほぼ一致したとしている)。また、命中弾はいずれも胴体を貫通していないにもかかわらず、上着に銃弾による穴が空いている。 オズワルドの両手からは硝煙反応が出たが、頬からは硝煙反応が出なかった(通常ライフルを使用すると手だけではなく顔や上半身全体に硝煙が付着する)。凶器とされたライフルからは、当初の検査では指紋、掌紋は発見されなかった。オズワルド殺害の翌日(11月25日)に掌紋が発見された。 暗殺直後オズワルドは逃げもせずビル内の食堂でコーラを飲んでくつろぐなどした。狙撃地点とされる部屋から食堂へ向かう階段には女性が2人いたが、その女性はオズワルドは通っていないと証言した。食堂のオズワルドを警官が1度やり過ごしている。 教科書ビルから撃たれたとした警官が包囲に10分もかかったのに対し、その後オズワルドを逮捕するまでの経緯は不自然なまでに鮮やかだった。 証拠物件の公開が政府によって、2029年(下院暗殺調査委員会)もしくは2039年まで不自然にも制限されている。資料はアメリカ公文書図書館に保管されているが公開されるのは2039年とされている。しかし、現在でも資料の多くが紛失しているため、2039年に公開されても完全に真実が明らかになるかどうかは未知数である。
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