閉鎖の危機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/24 07:56 UTC 版)
「聖バーソロミュー病院」の記事における「閉鎖の危機」の解説
1993年にロンドンの病院に関するトムリンソン・レビュー (Tomlinson Review of London hospitals) が発行され、ロンドン中心部は病院過多である、と結論付けられた(このレビューには賛否両論が存在する)。このレビューでは、居住地域のなるべく近くで医療サービスを受けることが推奨されていた。バーツは、通院区域に人口が少ない病院とされ、閉鎖の危機に遭っている。病院を存続させるため、病院スタッフや地域住民、国会議員そしてシティ・オブ・ロンドン・コーポレーション(英語版)などが支援した『Save Barts Campaign』が、シティの30万人以上に上る日雇い労働者たちに医療提供するため、総合病院がこの場所に必要であることを訴えてキャンペーンを展開した。 ほとんどの部門は廃止の危機を免れたものの、事故・救急救命部 (the accident and emergency department) は1995年に閉鎖され、 王立ロンドン病院(英語版)の救命部と統合された(王立ロンドン病院はバーツと同じトラストグループに所属しているが、数マイル離れたホワイトチャペルに位置する)。バーツには、軽症患者を処置できる軽傷処置部が設けられたが(救急医療の大部分は軽症患者である)、緊急や重症の患者は、別の病院へ搬送する必要がある。2001年のアメリカ同時多発テロ事件や2005年のロンドン同時爆破事件に際しては、シティが未だテロの重要標的であるとして、地域医療サービスの不足に対する不安が巻き起こった。 バーツを循環器治療とがん治療の拠点センターとして発展させる案が練られたこともある。この発展計画は、2006年にPFI資金に関するレビューが出された時に再び頓挫の危機に瀕している。このレビューは、"Save Barts Campaign" 再展開の引き金を引いている。この問題は解決され、現在バーツはがんケア治療部と新・バーツ心臓治療センターを附設している。更に王立ロンドン病院に新しい一般病棟が設置された。バーツは、チャーターハウス・スクエア(英語版)に位置する付属医学学校での優れた研究・教育で、長い間評価されている。 クイーン・メアリー・ウィングは現在取り壊されているが、ジョージ5世棟のファサードは病院の新棟に保存されている。入院用の病室は、1部屋4床である。新しいメイン・エントランスは、キング・エドワード街に面している。ギブス・スクエアは改装される予定で、この区画から駐車場が取り去られた。 バーツは、王立ロンドン病院(英語版)・ロンドン・チェスト病院(英語版)と共に、バーツ・ヘルス・NHSトラスト (Barts Health NHS Trust) の一角を成している。病床数は、バーツが388床、王立ロンドン病院が675床、ロンドン・チェスト病院が109床である。この3病院は、2012年3月1日に、ウィップス・クロス病院(英: Whipps Cross hospital)・ニューアム病院(英: Newham hospital)と『合併』する形で、「バーツ・ヘルス・NHSトラスト」(英: "Barts Health NHS Trust")を形成した。
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