長女に関する描写と販売差し止め訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 04:51 UTC 版)
「殉愛 (百田尚樹)」の記事における「長女に関する描写と販売差し止め訴訟」の解説
本書の内容について、2014年11月21日、たかじんの長女が幻冬舎を相手取り、出版差し止めと1100万円の損害賠償の求める訴訟を起こした。 本書はたかじんの長女を「横柄な態度で8歳下の父の若妻に暴言を浴びせる『中年女性』」として描き、以下のようなエピソードを掲載している。 たかじんに、食道ガンになったのは自業自得という内容のメールを送って激怒させ、たかじんは絶縁を宣言した。 たかじんに金の無心を繰り返して辟易させ、たかじんは親友に対し娘と絶縁したいとこぼした。 闘病中のたかじんを一度も見舞わなかった上、退院したたかじんに対し、その妻を誹謗中傷する内容のメールを送りつけた。 たかじんの死後開かれた「やしきたかじんを偲ぶ会」において、挨拶をしようとした未亡人に対し野次を飛ばした。 これに対し長女側は、上記記述は虚偽であり、「1人の遺族の話を根拠に、他の親族の取材をせずに一方的に攻撃するもの」、「あまりに一方的なひどい内容」、「事実と違うことだらけ」と反論し、本書の中に「すべて事実である」という記述があることについて、「百田さんから取材の申し込みもありませんでした。こんなのノンフィクションじゃないですよね?」とコメントした、 本訴訟において長女側は、未亡人が「無償の愛を注ぎ、相続においても何も求めず謙虚な姿勢を示してきたという作品の基調はそもそも事実に反する」と主張し、記述内容を根本的に否定する具体的証拠も多数提出した。 本訴訟の提起後、著者の百田はツイッターにおいて、「たかじん氏の娘が出版差し止め請求の裁判を起こしてきた。裁判となれば、今まで言わなかったこと、本には敢えて書かなかったいろんな証拠を、すべて法廷に提出する。一番おぞましい人間は誰か、真実はどこにあるか、すべて明らかになる。世間はびっくりするぞ。」と発言した。 2016年7月29日に出された東京地方裁判所の判決では、本書の6か所の記述が事実に反し、プライバシー侵害及び名誉毀損にあたるとして長女側の主張を概ね認めた上で、330万円の損害賠償支払いを幻冬舎に命じたが、出版の差し止めについては却下した。上記のエピソードも長女側提出証拠が採用されて「虚偽及び名誉棄損」認定された。この判決に納得しなかった幻冬舎は控訴したが、東京高等裁判所も、東京地裁の判決を概ね支持しながらも、さらに1か所の名誉毀損的記述が存在することを認め、賠償金を365万円にまで引き上げたが、差し止めについては第一審と同様認めなかった。2017年12月21日、最高裁は幻冬舎の上告を受理しないと決定、これにより第二審の判決が確定した。なおこれらの判決について、2018年3月時点で百田側からの明確なコメントはない。
※この「長女に関する描写と販売差し止め訴訟」の解説は、「殉愛 (百田尚樹)」の解説の一部です。
「長女に関する描写と販売差し止め訴訟」を含む「殉愛 (百田尚樹)」の記事については、「殉愛 (百田尚樹)」の概要を参照ください。
- 長女に関する描写と販売差し止め訴訟のページへのリンク