鉄道作業局時代の形式番号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 06:28 UTC 版)
「国鉄機関車の車両形式」の記事における「鉄道作業局時代の形式番号」の解説
1909年の形式称号制定以前の鉄道作業局時代にも、当然ながら各車に形式番号は存在した。機関車固有の番号は、1から順にその形態にかかわりなく連番が付されたが、阪神間鉄道の開業とともに奇数が新橋(東部地区)、偶数が神戸(西部地区)に区分された。この奇数、偶数の区分は東海道線が全通した後、次第に混乱が生じるようになり、後には通番に改称された。 開業時の鉄道では形式は当初付されていなかったが、両数の増加にともなって、同系車をまとめる必要が生じ、当時の汽車監察方であったトレビシックが当初はアルファベットを1文字でA,B,C…Zと、1文字のアルファベットが枯渇した後はAB,AC,AD…というように2文字で表す形式を付与した。当初はA - ADがグループごとに制定され、AE以降が登場順に制定されている。制定時期については、A- ADとAE以降の形式付与方法の差から、1893年または1894年と推定されている。 興味深いのは、この時点ですでに官設鉄道からの分離独立を果たしていた日本鉄道の機関車に対して、J、Q、Wという形式が与えられていることである。これは、官設鉄道が相当長い期間にわたって日本鉄道から借り入れていたためと推定されている。 A→A2→110形 B→A6/A7→160形 C→A3 D(改造後AI。後の190形) E→A1→150形 F→A4→120形(ロバート・スティーブンソン製) G→A4→130形(シャープ・スチュアート製) H→ B1→1290形 I→B3/B4→1100形 J→日本鉄道W2/4形 → 400形 K→A8→600形(ナスミス・ウィルソン製) L→A8→500形(ダブス製) M→A8→700形(バルカン・ファウンドリー製) N→D2→5100形 O→D1→5000形 P→D4→5130形 Q→日本鉄道Dbt2/4形→5230形 R→D5→5300形(ベイヤー・ピーコック製) S→D3→5490形 T→D5→5400形(ニールソン製) U→E1→7010形(キットソン製)、7030形(バルカンファウンドリー製) V→E2→7450形 W→日本鉄道Wt3/4形 → 7600形 X→E3→8150形 Y→B2→1800形(キットソン製) Z→B2→1850形(ダブス製) AB→B5→3080形 AC→B6→2100形 AD→C1→3900形 AE→A9→860形 AF→D6→5500形(ベイヤー・ピーコック製)、5630形(ニールソン製) AG→E4→7700形 AH→C2→3920形 AI→A5→190形 AJ→D7→5680形 AK→E5→7900形 AL→E6→7950形 AM→D8→6150形 AN→D9→6200形・6270形 AO→D10→5700形 AP→D11→5160形 AQ→E7→8100形 その後は、タンク機関車かテンダー機関車かの別および動軸数によって区分されたアルファベットと登場順序を示す数字で構成されるように改められた。そのため、形式と番号の間には原則として全く関連性がないが、後年、数の多かったA8系やB6系、構造の特殊なアプト式機関車について、番号を切りのいい番号からオフセットして付与するように変更している。 また、1905年に鉄道作業局に編入された北海道官設鉄道の蒸気機関車にも、この方式による形式が与えられたが、こちらは、順位をアルファベットの小文字で表している。 アルファベットの意味は次のとおりである。 A - 動軸2軸のタンク機関車(A1 - A10) B - 動軸3軸のタンク機関車(B1 - B7, Ba - Bc) C - アプト式タンク機関車(C1 - C3) D - 動軸2軸のテンダ機関車(D1 - D12) E - 動軸3軸のテンダ機関車(E1 - E7, Ea - Ef) F - 動軸4軸のテンダ機関車(F1 - F2)
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