金銭経済との係わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/17 14:53 UTC 版)
生産消費は金銭経済と影響を与え合っており、DIYなどの生産消費者としての活動のために資本財を購入し、セルフサービス、口コミでのマーケティングへの協力等の形で無報酬の仕事を行っているという。またLinuxやウィキペディアのような生産物を提供し、ボランティア活動で価値を生み出し、家庭での家事や子育によって人材の供給も行う。 トフラーは金銭経済とのかかわりの中でもATMやセルフレジの導入など企業でなく生産消費者が負担するようになった無給の仕事を「第三の仕事」と表現している。なお、トフラーは「第三の仕事」の最も巧みなものかもしれない例としてお好み焼きチェーンの道とん堀の客が鉄板で料理を行うシステムを挙げている。 日本における生産消費者の活用例としては無印良品の行っている、消費者が商品の開発や改良を提案する開発サイト「空想無印」が知られている。ドン・タプスコットが2007年に発表した『ウィキノミクス』においては、企業にとってのプロシューマーを製品やサービスの創出に積極的かつ継続的に関与させることの重要性を説いている。今後は3Dプリンタによる金型を要しない製造プロセスの普及により、製造業においても生産消費者の役割が増大する事が見込まれている。 金銭経済とのかかわりについては製品やサービスの「非市場化」、すなわち生産消費者がタダ同然の代替品を提供することで市場から供給されていた既存の製品やサービスを放逐することも含まれる。こうした現象は金銭経済の中での新たなサービスの出現も促すが、コンテンツの世界ではネットに多くの生産消費者による無料コンテンツが溢れることによる市場の成長の阻害も懸念されており、生産消費者による新たな市場の形成についても品質のばらつきや安定供給といった問題があるとも言われる。
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