醸成期とは? わかりやすく解説

醸成期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 23:17 UTC 版)

助六」の記事における「醸成期」の解説

助六」を全面打ち出して演じられるようになった時代主な上演演目: 『助六所縁江戸櫻』(すけろく ゆかりの えどざくら上演文化8年 (1811)、市村座 助六七代目市川團十郎 詞章河東節十寸見河東備考:このとき初め舞台一面から花道にかけて造花飾られ芝居小屋そのもの吉原見立てるという体裁完成外題に「助六」が入るのもここからで、現行の助六』はすべてこの版を原型したものとなっている。 『宿花女雛形』(やよいのはな おんな ひながた上演文政2年 (1819)、中村座 助六三代目尾上菊五郎 詞章半太夫節江戸半太夫備考:このときの半太夫節曲名が「曲輪」(くるわの ももよぐさ)だった。 『宿花千人禿』(やよいのはな せんにんかむろ) 上演文政2年 (1819)、玉川座 助六七代目市川團十郎 詞章河東節十寸見河東備考市村座以外で河東節所縁江戸櫻」が使われた初例。河東節はもう市村羽左衛門占有物ではなく市川團十郎専売特許ということ見せつけた。 『助六櫻二重帯』(すけろく さくらの ふたえおび) 上演文政5年 (1822)、河原崎座 助六五代目松本幸四郎 詞章半太夫節江戸半太夫)。 『助六所縁江戸櫻』(すけろく ゆかりの えどざくら上演天保3年 (1832)、市村座 助六七代目市川團十郎改メ五代目市川海老蔵 詞章河東節十寸見河東備考七代目の倅・八代目市川團十郎襲名披露興行で、八代目外郎売登場。この興行の際、はじめて「歌舞妓狂言十八番之内」の表現使われる。後の「歌舞伎十八番」である。 『助六所縁江戸櫻』(すけろく ゆかりの えどざくら上演安政4年 (1857)、角の芝居 助六幡谷重蔵七代目團十郎詞章長唄 備考天保の改革のあおりで江戸所払いになった七代目が「幡谷重蔵」(はたや しげぞう)の名で大坂角の芝居舞台にたって演じたもの。市川宗家助六長唄使った珍しい例。 『黒手組曲輪達引』(くろてぐみ くるわの たてひき上演安政5年 (1858)、市村座 助六四代目市川小團次 備考:小團次と提携して二代目河竹新七黙阿弥)が書いた一群作品のひとつ『江戸櫻清水清玄』(えどざくら きよみず せいげん)の二番目世話場面で、いわば「我流助六」。小團次は常々助六』をやりたい思っていたが、小柄な自分では偉丈夫助六がさまにならない。そんな愚痴聞いた黙阿弥は、鮮やかな衣装派手な隈取艶やかな舞台粋なセリフ、そして派手な喧嘩などといった『助六』の随を凝縮するかたちでこれを『黒手組の助六』に書き換える。また原版全一幕で上演時間3時間という冗長な演目だったのに対し新作は全三幕上演時間原版約半分という簡潔なものにまとめ、江戸歌舞伎見本のような作品仕上げた。 『助六所縁八重櫻』(すけろく ゆかりの やえざくら上演明治6年 (1873)、市村座 助六河原崎三升九代目團十郎詞章河東節十寸見河東備考九代目明治6年から7年にかけて、養家河原崎家から生家堀越家に戻る際、ひとつの過渡期として「河原崎三升」(かわらざさんしょう)という名跡10ヵ月間だけ名乗っていた。そこに歌舞伎十八番代表格である『助六』をぶつけたのは、この直後襲名することになっていた「九代目市川團十郎」に対す彼の意気込み現れとみることができる。なお「江戸櫻」を「八重櫻」に替えたのは、遷都後日も浅い東京腰を据えた新政府はばかって江戸」の二字避けたもの。

※この「醸成期」の解説は、「助六」の解説の一部です。
「醸成期」を含む「助六」の記事については、「助六」の概要を参照ください。

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