通過前・通過時・通過後の気象の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/08 05:06 UTC 版)
「温暖前線」の記事における「通過前・通過時・通過後の気象の特徴」の解説
温暖前線通過時には気温がゆっくり上昇して高止まりする。また、湿度もゆっくりと上昇して高止まるが、晴天域に入るとやや低下する。 前線の接近に伴って気圧は低下し、通過後も低下したまま推移する。 前線面にできる雲は、前線から近い順に層雲、乱層雲、高層雲、巻層雲、巻雲となる。前線から1,000 km以上離れた所に巻雲が現れるので、早くて前線の接近する1 - 2日前から雲が観測できる。 雨が降るまでの典型的な天気の経過は次のようになる。温暖前線が接近してくるにつれて、まず晴れた空に羽毛のような巻雲が現れ始め、次にベール状の巻層雲が現れる。巻層雲は氷晶でできており、太陽や月の周りに暈を作ることがある。次に現れ始める高層雲は厚く、空は灰色の雲に覆われてしまう。高層雲の厚みが増して雲の底が低くなってくると、やがて乱層雲に移行して雨が降り出す。 乱層雲がよく発達し、強度変化が少なく、比較的長時間連続した雨が降りやすいが、その降り方は弱い(時雨)。ただし、南シナ海上からの暖かく湿った空気が温暖前線に流れ込んで活動が活発になると、温暖前線特有の地雨性の降雨でなく、どちらかといえば寒冷前線の通過時にあるような非常に激しい雷雨になることがある。 前線の通過に伴い、南東寄りの風から南西寄りの風(南半球の場合は、北東寄りの風から北西寄りの風)に変わる。
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通過前・通過時・通過後の気象の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/31 15:54 UTC 版)
「寒冷前線」の記事における「通過前・通過時・通過後の気象の特徴」の解説
寒冷前線通過時には気温が急速に下降して低止まりする。また、湿度はやや速く上昇して高止まるが、前線の通過後急速に低下する。ただし、周囲が山に囲まれた地形では寒冷前線が通過してもしばらく暖気が残ることが多い。 前線の接近に伴って気圧は低下し、通過後はにわかに上昇してその後高いまま推移する。 寒冷前線に特徴的なのは前線付近の上空にできる積乱雲で、その後方に層積雲や積雲ができることが多い。詳細に見てみると、前線の東側から順に、地上では層積雲が次第に濃くなり積雲群に、やがて発達した積乱雲に変わり、積乱雲の後方は比較的雲が少なく層積雲や積雲が並ぶ。上空では積乱雲の前方や後方に高積雲や巻雲・巻層雲などができ、積乱雲の周囲では乱層雲も見られる。前線の接近する数時間前から雲が観測できることが多い。 積雲や積乱雲がよく発達し、強度変化が多く、比較的短時間にまとまった雨が降りやすい(驟雨)。にわか雨やにわか雪、霰や雹のほか、雷もよく発生する。積乱雲が非常によく発達すると、竜巻やダウンバーストなどの突風が発生することもある。ただし、場合によっては対流活動が不活発になり、ほとんど雨が降らないようなことがある。 ノルウェー学派モデルを元にした資料等では寒冷前線に伴う降水域が前線の後方(寒気側)に描かれているが、南側(北半球の場合)から水蒸気を多く含んだ空気が流れ込むような場合は、寒冷前線通過前からまとまった雨が降ることが多い。 前線の通過に伴い、南東寄りの風から南西・北西寄りの風(南半球の場合は、北東寄りの風から北西・南西寄りの風)に急変する。
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通過前・通過時・通過後の気象の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 06:55 UTC 版)
「閉塞前線」の記事における「通過前・通過時・通過後の気象の特徴」の解説
天候は、どちらかといえば寒冷前線の通過時に近いとされている。 通過時の気温は、寒冷型の場合ゆっくり下降して低止まり、温暖型の場合ゆっくり上昇して高止まりする。また、湿度は通過前にゆっくりと上昇して、通過後低下する。 前線の接近に伴って気圧は低下し、通過後は上昇する。 前線面にできる雲は、地上付近では層雲・層積雲・乱層雲・積雲が多く、上空では高層雲、高積雲、巻層雲、巻雲が多い。温暖前線と同じように、早くて前線の接近する1~2日前から巻雲が観測できる。寒冷前線上にできた積乱雲がそのまま残ったり再発達する場合があるが、長期的には弱まる。 温度差が小さくなったといっても、実は温度の境界面が2層になることで不安定度は増す場合が多く、また上空ではまだ温度差があるため、悪天候がみられる。寒冷型の場合短時間の強い雨(驟雨)、温暖型の場合比較的長時間連続した雨(時雨)が降りやすい。温暖型であっても積乱雲が発達する場合があり、雷雨や強い雨が降る。閉塞して時間が経つと雲の発達が弱くなり、層積雲などによる曇天になる。 前線の通過に伴い、東寄りの風から南寄りの風(南半球の場合は、東寄りの風から北寄りの風)に変わる。 1999年10月27日に千葉県佐原市(現在の香取市)で発生した集中豪雨の原因もこの閉塞前線である。
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