近隣住民5人を殺傷
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/30 05:20 UTC 版)
「西成区覚醒剤中毒者7人殺傷事件」の記事における「近隣住民5人を殺傷」の解説
このように妻子を殺傷した後、Hはさらに「日ごろから嫌がらせをしている近隣居住者らを殺害しよう」と決意し、9時50分ごろまでの間に近隣住民5人を相次いで殺傷した。一方で1軒置いた隣の住民がHの部屋から上がった悲鳴で凶行に気づき、110番通報したが、その時点でHは既に隣家でさらなる殺傷行為に及んでいた。 Hは刺身包丁を持った右手にタオルを巻き、奥6畳間から取り出した金槌で玄関の鍵を叩き壊して部屋を飛び出すと、まず右隣の2階15号室へ侵入し、玄関脇台所にいた住人男性V(当時34歳)の内妻W(47歳没)を刺身包丁で襲い、胸部・腹部などを多数回突き刺した。さらに同室奥6畳の間にいた男性Vも襲い、腹部を1回突き刺した。左胸を刺され、心臓・肺を貫通された妻Wは間もなく失血死したほか、腹部を刺された男性Vも加療約1か月を要する怪我を負った。 Hは部屋から逃げ出したVを近くの新開筋商店街まで追いかけたが、途中で息切れしたためそれ以上の追跡を断念し、グリーンハウスへ戻って自室の左隣(2階17号室)へ行こうと2階通路へ上がった。すると偶然、2階31号室前の通路に2階17号室の住人女性X(49歳没)が立っていたため、Hは刺身包丁でXの左胸部・左上腕部などを多数回突き刺し、Xを殺害した。そしてグリーンハウス1階7号室(当時56歳・男性Y宅)へ赴き、玄関土間にいたYの長女Z(当時20歳)を襲い、刺身包丁で頭部・前腕部等を多数回切りつけたり突き刺したりしたほか、持っていた金槌で頭部を強打した。さらに娘Zの悲鳴を聞きつけてZの両親と兄(当時21歳・父Yの長男)が目覚め、父Y(56歳没)が玄関前まで飛び出してきたところ、Hは刺身包丁でYの左胸を一突きにし、肺を貫通する致命傷を負わせた。Yはなおも約30メートル (m) にわたり息子とともにHを追いかけたが、途中で力尽きて倒れ、搬送先の病院で失血死した。また、一命を取り留めたZも加療約3か月を要する怪我を負った。 Hはそのままグリーンハウスから逃げ去り、「皆殺しにしてやる!」と叫びつつ包丁を振り回しながら路地を出た今池商店街(今池本通)を西方に逃走した。しかし現場から約100メートル (m) 西(同区萩之茶屋二丁目の路上 / 今池停留場〈阪堺電気軌道阪堺線〉・今池町駅〈南海天王寺支線〉付近)まで逃げたところ、110番通報を受けて西成署から出動していた大阪府警の警察官3人に取り押さえられて包丁を取り上げられ、殺人および殺人未遂の現行犯で逮捕された。逮捕後、大阪府警(捜査一課・西成署)は西成署内に捜査本部を設置して被疑者Hを追及したが、Hは動機について「妻子が宗教に凝って(自身に)構ってくれない」「隣近所の者たちが物音を立て、神経質な自分に嫌がらせをするため、10日前に『死刑になってもいいから、みんなを殺してやろう』と決意した。阿倍野で刺身包丁を買ってきた」「(覚醒剤の幻覚ではなく)正気でやったつもりだ。死刑になっても構わないし、弁護士も必要ない」と供述したほか、腕には覚醒剤を注射した痕が確認された。
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