農産物・海産物・畜産物
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「2010年の猛暑 (日本)」の記事における「農産物・海産物・畜産物」の解説
多くの農産物・畜産物・海産物で生産量が落ちる被害が出た。 2010年9月末の2010年産米の品質検査結果で、1等米比率が64.4%と2009年の83.0%を大きく下回り、データが比較可能な1999年以降では2002年の65.8%を下回る最低値となった。猛暑による高温での気温推移のため、養分が十分に吸収されなかったことが原因とみられる。また、農林水産省による全国の作況指数は、2010年は98の「やや不良」で確定した。 猛暑と小雨による野菜の生長遅れにより、野菜価格が高騰した。農林水産省の小売価格調査によると、9月27日 - 10月1日時点で、トマト・ネギは4割以上、ナスは約3割、レタス・バレイショは約2割平年より高かった。10月中旬以降の低温もあり、11月もこの高値傾向は続いた。 順調な降雨によって、全国的にマツタケが大豊作となった。東京都中央卸売市場では、10月1日 - 10日のマツタケの入荷量は前年比2倍の39tで、1kg当たり去年より約4割安い6035円となった。福岡市中央卸売市場でも、主要産地である岩手県産のマツタケが2009年同時期の約7分の1 - 約10分の1の価格で推移した。一方、ツキヨタケなどの毒キノコも大発生したため食中毒も多発し、全国で10月20日までに72件、209人が食中毒被害にあった。過去5年では最多。 全国でサケの漁獲量が減少した。北海道では、秋サケの漁獲量が前年の80%にとどまった。 福島県内の10河川では11月末現在でサケ捕獲数が、前年の約22万6000匹の半分となる約11万5000匹にとどまった。 岩手県では11月末までの沿岸のサケ漁獲量が、例年の65%にあたる301万匹にとどまった。また、宮古市内のある業者のイクラ1kg当たりの卸値も去年の約2500円から約4000円に値上がりした。 養殖物が猛暑による海水温度の上昇により大量死した。青森県の陸奥湾ではホタテが大量死した。そのため2010年8月の出荷量は2009年の6953tから1539tと、4分の1以下になった。 北海道の厚岸湖では、カキの大量死が見つかった。1割ほどの養殖業者で約5 -8割のカキが死滅した。 宮城県の松島湾でも同様の、カキが死滅する被害が出た。 有明海・諫早湾でも養殖カキが大量に死滅した。大浦沖(佐賀県藤津郡太良町)の有明海では、養殖している竹崎カキの8割近くが死滅した。そのため大浦沖の竹崎カキの出荷量は例年の2割程度となる見込み。 東北地方ではアワビの稚貝が約4割死滅する被害が出た。佐賀県でもアワビの漁獲高が激減した。 全国で7月1日から9月30日までに乳・肉用牛2940頭、ブロイラー61万9000羽、採卵鶏23万8000羽、豚1309頭が、猛暑による熱中症などによって死亡したり、廃棄されたりした。
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