路線の復元とは? わかりやすく解説

路線の復元

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 12:33 UTC 版)

日本の古代道路」の記事における「路線の復元」の解説

路線の復元には、史料から同定試み歴史学的な方法と、現在までに残る痕跡をたどる地理的考古学的な方法とがある。あるいはこれらを総合的に組み合わせて復元が行われるが、史料には不確実なもの多く地理的に発見される例が多い。最終的に考古学的な発掘などの手段で確認行い直線的な平坦地形平行する道路側溝発見されれば、古代道路であった可能性が非常に高い。これまでの成果として、播磨国内の山陽道駅路は、地名条里余剰帯、地割痕跡発掘調査などからほぼ全てのルート判明した国分寺市からは、約 300 mわたって 12 m 幅の道路遺構並行する道路側溝発掘され古代東山道武蔵路とうさんどうむさしみち)だったことが分かった。しかし全国的に見れば大多数地域路線復元がほとんど進んでおらず、大きな研究課題として残っている。 歴史学的手法 基礎史料として延喜式挙げられる延喜式には、駅路ごとの各駅名記載されており、駅家所在地推定することができる。駅家は当然、駅路沿っていたので、駅家推定地を結ぶルートか大まかな駅路推測することができる。その他、史書六国史など)に駅伝制に関する記事残されており、それを元にルート大まかに復元することも可能である。 地理的手法 地名が、路線復元に役立つことがある古代道路そのもの由来する可能性がある地名としては、大道だいどう)、横大路車路(くるまじ)、作道つくりみち)、立石太政官道、勅使道、仙道せんどう)、縄手(なわて)などがある。駅家由来する可能性がある地名には馬屋(うまや)、馬込(まごめ)などがある。これらが必ずしも古代道路痕跡を示すものではないが、路線復元する上で、非常に重要な手がかり一つである。 行政境界古代道路の跡であることがある古代から道路境界とされることが多かったが、境界は一旦設定される歴史的に変更しにくい性質持っているため、1000年以上を経て境界として残存するケースがある。例えば、鳥栖市小郡市付近に見られる直線的な福岡佐賀県境は、古代西海道駅路痕跡である。所沢市狭山市境界を見ると、所沢側から細長く 500 m ほど突き出た箇所があるが、古代官道東山道武蔵路痕跡だと見られている。明治初期市町村境界には、古代道路痕跡多数残存していたとも言われている。 条里地割から古代道路推定する方法がある。条里地割は、約 109 m 四方正方形から構成されているが、1020 m ほどの余分帯状に見つかることがあり、この帯状余分古代道路痕跡考えられる帯状余分条里余剰帯という(あるいは道代(みちしろ)とも呼ばれる)。条里余剰帯は全国各地平野部見られる現代地割古代道路痕跡残っている場合がある。例えば、大字界・字界が断続的にkm数十 km にわたり直線形となっている、地籍図駅路幅と同じ約 12 m の幅で地割直線的に並んでいる、旧道断続的に直線として残っている、などが手がかりとなりうる。播磨平野の例では、溜池に残る全く意味のない 6 m 幅で直線堤防残っている。 考古学的手法 ソイルマークから痕跡発見されることがあるソイルマーク(またはクロップマーク)とは、地中遺跡がその上土壌性質影響し田畑の土の色や性質作付された作物生育状況などから遺跡形状がはっきりと識別できる現象のことである。またソイルマークさえ残ってない場合でも、地図では検出できない微妙な痕跡空中写真判明することもある。直線的な何らかの痕跡空中写真残っていれば、古代道路である可能性がある。鳥取県内の古代山陰道は、丘陵部直線的に通っているが、地図上で痕跡見られず、空中写真によりそのこと判明した富山平野西部空中写真からも直線的な痕跡が見つかり、発掘調査により古代道路であることが裏付けられた。九州では衛星画像により九州縦貫自動車道と平行に走る古代直線道路発見されている。

※この「路線の復元」の解説は、「日本の古代道路」の解説の一部です。
「路線の復元」を含む「日本の古代道路」の記事については、「日本の古代道路」の概要を参照ください。

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