資格の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 00:32 UTC 版)
「ファイナンシャル・プランナー」の記事における「資格の現状」の解説
日本において、FPとしての能力を有している者として認められている国家資格は、1~3級ファイナンシャル・プランニング技能士である。 また現在の試験制度が整う以前の沿革が複雑であり、現在の試験の前身となる民間資格・公的資格、金融業・保険業の業界団体が実施する類似の資格などが多数存在しているものの、現在「ファイナンシャル・プランナー」と称する者は下記の資格を有している事がほとんどである。 技能検定1~3級ファイナンシャル・プランニング技能士 公的資格として金財が実施していた金融渉外技能審査(通称:きんざいFP)は行政改革の流れのなかで2001年に廃止され、技能検定に統合されたが移行特例による認定研修を受講し修了した者は、同一等級のファイナンシャル・プランニング技能士となった。 非技能検定CFP認定者(日本では米国CFPボードと提携する日本FP協会)、AFP認定者(日本FP協会)による。AFP・CFPは協会が認定する民間資格であるため個別の法律に規定される名称独占資格ではない。但しその名称は協会が「商標登録」しており、協会による認定者以外がその名称を使用すると商標法違反に問われる事となり、信頼性が担保される事となる。 AFP認定者となる資格を取得するには、AFP資格審査(ファイナンシャル・プランニング技能検定試験試験2級)の合格・AFP認定研修の修了・日本FP協会に入会することが要件となっている。これら順序は問わないが、AFP資格審査試験合格の有効期限は合格の日の年の翌々年度末まで。 AFP資格審査試験 は運用上2級ファイナンシャル・プランニング技能検定であり、協会・金財いずれの試験もAFP資格審査試験としての効力を有する。 公認会計士および税理士はAFP認定研修(税理士課程)を修了することによりAFP資格を得る。 CFP認定者資格を取得するには、CFP資格審査試験に合格し、CFPエントリー研修を修了すること。そして、試験合格前10年から合格後5年の間に3年以上の実務経験を満たし、CFP約定書を提出することが要件となっている。CFP資格審査試験合格の有効期限は、合格日から5年以内。 1級ファイナンシャル・プランニング技能検定試験はCFP資格審査試験を兼ねないが、CFP認定者は1級ファイナンシャル・プランニング技能検定試験のうち学科試験を免除され、実技試験に合格することにより、1級ファイナンシャル・プランニング技能士となれる。 協会はAFP認定者・CFP認定者に、それぞれ2年ごとの資格更新を定めている。2年間にAFP認定者はFP実務と倫理を含む最低3科目以上で15単位以上、CFP認定者はFP実務と倫理を含む最低3科目以上で30単位以上の継続教育を義務付け、資格更新要件としている。よってAFP認定者及びCFP認定者は協会会員であり、継続教育により常に新しい業務関連知識を得ている者である。また協会会員の義務としての年会費及び継続教育講習の受講費を各教育機関に納入するため、資格維持のため一定の費用負担が必要となる。 金財もファイナンシャル・プランニング技能士センターを設置し、ファイナンシャル・プランニング技能士に対して継続教育の機会を与えている。正会員については、2年間に1級は20ポイント・2級は15ポイント・3級は10ポイントの継続教育を義務付けている。よってファイナンシャル・プランニング技能士センター会員及びFP協会の会員は共に、教育機関は異なるものの明確な基準のある継続教育により常に新しい業務知識を得ている者であり、その信頼性が担保されている。 但し、ファイナンシャル・プランニング技能士センターへの入会は任意であると共に、ファイナンシャル・プランニング技能検定合格者が継続教育を受けない場合においても資格を剥奪される事は無く、またファイナンシャル・プランニング技能士を称することを禁じられる事は無い。 またファイナンシャル・プランニング業務を法律上独占する専門資格は無いため、CFP認定者・AFP認定者及びファイナンシャル・プランニング技能士の資格を有していない者がファイナンシャル・プランナーという職種名を称して業務を行う場合、法律上の問題は生じない。 類似の資格としては、銀行業務検定協会が主催するFA(ファイナンシャルアドバイザー)、AFA(アシスタントファイナンシャルアドバイザー)や、生命保険協会認定FPのTLC(トータルライフコンサルタント)などが存在する。
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