貴族院改革をめぐってとは? わかりやすく解説

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貴族院改革をめぐって

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 23:55 UTC 版)

アーサー・バルフォア」の記事における「貴族院改革をめぐって」の解説

議会法案をめぐって自由党政権保守党緊迫する中の1910年5月6日エドワード7世崩御しジョージ5世即位した政界に「新王をいきなり政治危機晒してならない」という融和ムード広まり、両党の会合持たれる至ったこの際ロイド・ジョージバルフォア連立内閣提唱したバルフォアはこれに前向きだったが、自由党政権アイルランド国民党との連携のためにアイルランド自治法案出してくる可能性高かったので、もし大連立など組んだ保守党分裂するという意見党内には多かった1910年11月までには両党の交渉決裂終わった。 この決裂議会法制定目指すことにしたアスキス首相は、ジョージ5世から「総選挙行って勝利した場合には貴族院改革法案賛成する新貴族議員大量に任命する」という確約得て11月26日にもこの年2度目庶民院解散打って出た。こうして行われた12月総選挙英語版)の結果自由党272議席保守党272議席アイルランド国民党84議席労働党42議席前回総選挙とほとんど変わらないものだった。得票率で見ると保守党自由党優っていた。 しかしアスキス首相1911年2月21日の新議会自党友党アイルランド国民党あわせて過半数制したので貴族院改革国民コンセンサス得た力説し議会法案を再度議会提出してきた。法案5月15日庶民院通過したが、貴族院断固反対姿勢示した。これを見たアスキス首相は、もし貴族院がこの法案通過させないなら国王大権によって貴族院改革賛成する新貴族院議員を大量に任命する方針とそれについて国王承諾得ている旨を7月20日バルフォア保守党執行部付きつけた。 これを受けてバルフォア7月21日にもシャドー・キャビネット影の内閣)に所属する保守党幹部召集し対策話し合ったバルフォアランズダウン侯爵カーゾン卿は「貴族大量任命など行われた世界中文明国笑い物になる」として譲歩するしかない主張したバルフォア考えるところ、自由党系の新貴族任命され自由党恒久的に貴族院多数派になることの方がはるかに危険な革命」であり、それに比べれば拒否権失われることぐらいはまだマシだった。だがハルズベリー卿(英語版)やセルボーン卿(英語版)、オースティン・チェンバレンらは徹底抗戦すべしと主張して譲らなかった。 保守党貴族院議員たちの間では政府態度ハッタリ脅迫に過ぎないとして、徹底抗戦派の声の方が大きくなっていった。彼らは「ダイ・ハード頑強な抵抗者)」と名乗るグループ形成して貴族院権限縮小反対運動行ったこのように公然と党首バルフォア方針に背く者が増えていく中、バルフォア党内における求心力低下避けられなかった。 アスキス内閣新貴族任命方針覆す意思見せず8月10日には議会法案の貴族院提出強行し、その法案説明で「議会法否決する投票は、すなわち多数新貴族任命への賛成ということになる」と明言してきた。バルフォアの息のかかった妥協貴族院議員たちは当初棄権考えていたが、棄権する議会法否決公算が高いため、ついにこの法案賛成に回る決意固めた。これにより議会法案は賛成131反対114僅差でなんとか貴族院通過した37人の保守党貴族院議員2人大主教1人主教賛成票を投じていた これにより貴族院権限大幅に縮小され、さらに貴族院議員新規叙任制限されることになった

※この「貴族院改革をめぐって」の解説は、「アーサー・バルフォア」の解説の一部です。
「貴族院改革をめぐって」を含む「アーサー・バルフォア」の記事については、「アーサー・バルフォア」の概要を参照ください。

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