警戒標識
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 08:15 UTC 版)
警戒標識は道路利用者に対して沿道における運転上の危険または注意すべき事象を予告する標識である。警戒標識の過度な設置は警告効果を弱める原因であるため、適正な設置計画が重要である。全ての警戒標識が道路管理者によって設置される。デザインはアメリカに倣ったもので、黄色地に黒ふち・黒模様の菱形。通常の大きさは一辺 45 cm。 交差点の予告 +形道路交差点あり (201-A) ├形道路交差点あり (201-B) ┤形道路交差点あり (201-B) T形道路交差点あり (201-C) Y形道路交差点あり (201-D) ロータリーあり (201の2) 視認が困難で注意喚起が必要な交差点がある場合に設置する。原則として交差点手前30-120 m (メートル)の間に設置する。 道路の平面形状の予告 右方屈曲あり (202) 左方屈曲あり (202) 右方屈折あり (203) 左方屈折あり (203) 右方背向屈曲あり (204) 左方背向屈曲あり (204) 右方背向屈折あり (205) 左方背向屈折あり (205) 右つづら折りあり (206) 左つづら折りあり (206) 曲線が開始する30 - 200 m の間に設置され、道路の状況(設計速度、交通量、事故の有無等)から設置の必要性を十分に検討しなければならないとしている。 道路の縦断形状の予告 上り急勾配あり (212の3) 下り急勾配あり (212の4) 設計速度と縦断勾配の大きさからみて、急勾配の手前30 - 200 m の間に設置される。標識にある「○ % 」は、水平方向に100 m 進むと○m上がる(下がる)ということを示している。例えば5 % は水平方向に100 m 進むと5 m 上がる(下がる)勾配である。 交通流の変化の予告 合流交通あり (210) 車線数減少 (211) 幅員減少 (212) 二方向交通 (212の2) 道路工事中 (213) 該当の部分から50 - 200 m 手前の設置を原則としているが、「道路工事中」のみ補助標識「距離・区域」の併設で1 km (キロメートル)手前から設置することができる。 路面又は沿道状況の予告 踏切あり (207-A) 旧形式 踏切あり (207-B) 新形式 学校、幼稚園、保育所等あり (208) 信号機あり (208の2) すべりやすい (209) 落石のおそれあり (209の2) 路面凹凸あり (209の3) それぞれの施設や状態が生じるの手前に設置する。 「踏切あり」は原則として全ての踏切を対象に設置され、踏切を通過する車両が確実に停止できるよう設置されなければならない。1986年に電車が描かれた新形式のものが追加されたが、蒸気機関車が描かれた旧型式のものも現役として残っている。 「学校・幼稚園・保育所等あり」は通学路を示したい場合も設置できる。この時は補助標識「通学路(508)」を取り付ける。 「すべりやすい」は特定の季節のみ対象とする場合は補助標識を併用する。 気象状況、動物の飛び出し、その他の注意の予告 横風注意 (214) 動物が飛び出すおそれあり (214の2-A) シカ 動物が飛び出すおそれあり (214の2-B) タヌキ 動物が飛び出すおそれあり (214の2-C) ウサギ 動物が飛び出すおそれあり (214の2-D) サル その他の危険 (215) 「動物が飛び出すおそれあり」は、標識令の例示であるシカ以外の動物が飛び出すおそれがある場合は適宜その動物の図柄を表示することになっているが、タヌキ、ウサギ、サルについては標準がある。動物のイラストは自治体によって様々な種類のものが登場しており、例えば北海道では、キツネやシカのほか、帯広市内ではエゾリスがあるほか、牧場がある農村地帯ではウシと「横断注意」の文字の組み合わせ、徳島県美波町では海岸から少し離れた山に棲息するアカテガニを描いたものもある。 「その他の危険」は設置の目的が一目でわかる場合以外は補助標識「注意事項(510)」を用いる。 ギャラリー 右方屈曲あり (202) と路面凹凸あり (209の3) 学校・幼稚園・保育所等あり(208) 合流交通あり (210) 車線数減少 (211)と二方向交通(212-2) 動物が飛び出すおそれあり(214の2)。ヤンバルクイナの飛び出しに対する注意を促している。 その他の危険 (215)
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