設置校及び制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 19:37 UTC 版)
「予備役将校訓練課程」の記事における「設置校及び制度」の解説
アメリカにおけるROTCは陸海空軍、および海兵隊の将校を育成するため特定の州立大学、私立大学に設置された教育課程のことであり、当該課程の修了者は陸軍士官学校・海軍兵学校などの卒業生と同様に初級将校(少尉)に任官する。普通アメリカでROTCといえば陸軍のROTCを指す。海軍、空軍のROTCはそれぞれNROTC、AFROTCと呼ばれる。海兵隊はNROTCに組み込まれる。ROTCに参加している学生の呼称はカデット(Cadet 陸軍、空軍)、ミジップマン(Midshipman 海軍、海兵隊)。現在の米軍士官の約40%がROTCの出身といわれる。各軍将校のROTC出身者比率は陸軍の56%が最も多く、海兵隊の11%が最も少ない。現時点で沿岸警備隊にROTC制度はない。 ROTCでは、一般学生に混じって授業を受けながら、同時に軍事訓練を積み軍人教育を受ける。卒業後の数年間、軍役(現役・予備役、あるいは州兵)に就くことが義務付けられる。在学中は基本的に召集されないことになっているが、非常事態時には国会の命令により召集可能。過去に一度、第二次世界大戦中にウェストポイントのカデットが召集されたことがあるが、一般大学のROTCのカデットが召集されたケースは今のところない。在学中は学費の一部あるいは全額支給に加え奨学金数百ドルを受け取り、卒業後は士官として入隊することができるため競争率は高い。高校、あるいは大学の成績とSATの点数に加え、犯罪歴や借金の有無のチェック、身体測定や運動能力テストを課される。不況時とアメリカ同時多発テロ事件などの国家危機時に志願者が増えると言われている。湾岸戦争時の統合参謀本部議長やブッシュ政権時の国務長官を務めたコリン・パウエルや、アメリカ同時多発テロ事件及びイラク戦争時の統合参謀本部議長として有名なリチャード・マイヤーズ等もROTCの卒業生である。ROTCはアイビー・リーグを含む全米のあらゆる大学に支部を持っている。 ROTCに入るための入学試験は、身体・運動能力テストを除けば一般大学と変わるものではないが、入学後の身体鍛錬、軍事科目と専攻科目の両立、実技演習などが課せられており、強靭な肉体と、軍隊の規律に従うだけの精神力が求められる。このようにアメリカの若者がROTCに入る主な動機として挙げられるのは、パイロットや看護師などへの就職、或いは奨学金を受けながら学位を取得、一般大学への編入を目指すなどである。 アメリカ軍のROTCは、主に旅団と大隊からなり、戦闘部隊や飛行部隊などがある。ROTCに在籍する学生はそれぞれの職種に応じた訓練に参加する。
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