観経変相図と九品来迎図とは? わかりやすく解説

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観経変相図と九品来迎図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 09:53 UTC 版)

阿弥陀聖衆来迎図」の記事における「観経変相図と九品来迎図」の解説

日本では奈良県當麻寺に伝わるいわゆる当麻曼荼羅原本は唐時代8世紀作品)に描かれ九品来迎図来迎図古例である。ただし、当麻曼荼羅後述のとおり、来迎図主体したものではなく極楽浄土様相描いた画面一部として来迎場面表されている。「浄土三部経」(『無量寿経』『阿弥陀経』『観無量寿経』)は西方極楽浄土荘厳な様子描写しているが、これらの経典に基づき極楽浄土景観可視化したもの浄土変相図あるいは阿弥陀浄土変相図といい、単に変相あるいは浄土変ともいった。浄土変相図は唐時代都市寺院石窟寺院壁画描かれたが、その多くは『観無量寿経』を典拠とした観経変相図であった当麻曼荼羅観経変相図一種であり、正確な経路不明ながら、唐から奈良時代日本将来された。 当麻曼荼羅は『観無量寿経』を所依とし、唐の善導によるその注釈書観経四帖疏』に基づいて描かれている。画面主要部には阿弥陀如来中心に観音菩薩勢至菩薩筆頭とする諸菩薩配し極楽浄土の宝池宝の様を描くが、それ以外に、画面左辺右辺下辺にも帯状に小画面並べている。『観経四帖疏』は玄義分、序分義、定善義、散善義の4帖(4巻からなるが、当麻曼荼羅左辺右辺下辺にはそれぞれ序分義・定善義・散善義の内容絵画化されている。序分義は、釈迦示した諸仏浄土のなかから、韋提希阿弥陀如来極楽浄土を選ぶという説話。定善義は、観経十六観(阿弥陀如来極楽浄土観相し、往生するための十六観法)のうち、日想観などの十三観を説く。散善義は十六観のうちの残り三観(上輩観、中輩観、下輩観)である。これはいわゆる九品往生について説いた部分で、極楽浄土への往生には、往生者の機縁資質)や生前行状によって、上品上生から下品下生まで9つ段階九品)があり、それに応じて阿弥陀聖衆の来迎にも9種類があると説くこのような構成に基づき当麻曼荼羅下辺には九品来迎図描かれている。 九品来迎図は、平安時代には阿弥陀堂壁画描かれるうになる仁寿元年851年)、円仁比叡山東塔建立した常行三昧堂には阿弥陀五尊の彫像安置され壁面九品来迎図描いていた。円仁常行三昧堂現存しないが、現存する九品来迎図遺品としては天喜元年1053年)の平等院鳳凰堂壁扉画、天永3年1112年)の鶴林寺兵庫太子堂壁画がある。鳳凰堂壁扉画は、やまと絵風の山水のなかに来迎する阿弥陀聖衆を描く。。

※この「観経変相図と九品来迎図」の解説は、「阿弥陀聖衆来迎図」の解説の一部です。
「観経変相図と九品来迎図」を含む「阿弥陀聖衆来迎図」の記事については、「阿弥陀聖衆来迎図」の概要を参照ください。

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