西武鉄道時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:20 UTC 版)
「西武E31形電気機関車」の記事における「西武鉄道時代」の解説
E31形は当初から保線用工事列車の牽引を主目的として製造された。理由として、終電と初電の間隔が短く保線基地が郊外にある西武鉄道の線路保守作業において、当時速度が遅いモーターカーで終電後に線路閉鎖して郊外から資材運搬し作業するのは非効率的で不適とされたが、電気機関車は速度が出て営業時間内に本線上を走行可能で工事列車として運行できるなど、効率的な運用面が有用と判断されたからである。運用は多くの場合2両1組のプッシュプル編成で事業用として社線内の車両輸送や工事列車でバラスト散布車の牽引など、他に貨物輸送廃止以前はE851形の代走として貨物列車の牽引も行なっていた。しかし保線車両の急速な進歩により2006年度に西武新宿線、2008年度に西武池袋線の工事列車が相次いで廃止されたことで用途が狭められ、2000年代後半以降は新秋津駅からの車両輸送が主な用途となった。 2008年(平成20年)10月4日、交換時期を迎えた機器類の調達が困難になったことを理由に、2008年度内に西武鉄道での運用を離脱すると、一部メディアで報道されたことがあった。しかし実際には、2009年(平成21年)1月31日付で廃車となったE33を除く3両は、2009年に入ってもそれまで通り車両輸送に使用されていた。 本形式の置き換え用として、車両牽引用は2007年(平成19年)に101系を全電動車化した4両編成 (263編成)が登場し、工事列車(バラスト散布車牽引)は2008年度中にすべてモーターカーとなった。工事用途で使用していた貨車・ホキ81形とトム301形は2008年10月31日付で全車廃車となっている。 運用終了の理由として他に「西武鉄道社内における電気機関車の操縦資格を持つ運転士の減少」や「多数の車種を維持するのは困難」が挙げられていた。 2010年(平成22年)3月15日、E31形全機の運用終了が発表され、同月28日にさよなら運転が横瀬 - 西武秩父間で実施された。同年3月31日付でE31・E32・E34の3両が廃車となり、同社から機関車が消滅した。唯一、E31のみ静態保存されることが報道された。
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