英語圏での歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 21:10 UTC 版)
1960年代まで、多くの英語圏の国で、カ氏度(およびカ氏温度)は気候・産業・医療における温度の基準となっていた。1960年代後半から1970年代にかけて、メートル法への切り換えの一環としてセルシウス度(およびセルシウス温度)の導入が政府によって行われた。しかし切り換えのための努力にもかかわらず、現在でも一部の英語圏の国では非科学分野での温度計測にカ氏度が使用されている。アイザック・アシモフは、西欧の通常の気温が0 °Fから100 °Fの範囲に収まるのに対し、セルシウス温度ではとくに異常がなくても気温がマイナスの数字になりうることを指摘している。 カ氏度の支持者は、これはカ氏度が利用者にとって親しみやすいからだと主張している。地球上の居住可能地域の大部分で気温変化は0 °F (−17.8 °C) から100 °F (37.8 °C) の範囲に収まる。 〜20 °F (〜−6.7 °C) - 厚い霜が降りる。即座に凍え死ぬ寒さ。 20 °F〜 (−6.7 °C〜) - 薄い霜が降りる。 30 °F〜 (−1.1 °C〜) - 寒い。氷点に近い。極寒。 40 °F〜 (4.4 °C〜) - 寒い。厚い衣服が必要。 50 °F〜 (10.0 °C〜) - 涼しい。適度な厚さの衣服で十分。運動には適温。 60 °F〜 (15.6 °C〜) - 暖かい。薄手の衣服が必要。 70 °F〜 (21.1 °C〜) - 適度に暑い。夏服が必要。 80 °F〜 (26.7 °C〜) - 暑いが耐えられる。少なめの衣服。猛烈な暑気。 90 °F〜 (32.2 °C〜) - とても暑い。過熱に対する予防措置が必要。 100 °F〜 (37.8 °C〜) - 危険なほど暑い。生存には危険な酷暑。 またカ氏温度での人間の平熱が98.6 °F (37.0 °C) であることはよく知られていて、体温が100 °F (37.8 °C) 以上になると治療が必要とされるなど、カ氏度(およびカ氏温度)は生活感覚に直結した温度目盛であると主張している。 別の例では、カ氏度は人間の温度感覚に適合しているとも考えられる。例えば、日本産のカーエアコンの設定温度は日本仕様ではセルシウス温度で0.5 °C刻みが多い[要出典]が、同じ機種でもアメリカ仕様は1 °F刻みで小数を使わない。 アメリカ合衆国・ジャマイカではメートル法への置き換えが生産者側・消費者側の両方で大きな抵抗に遭っているため、カ氏度は様々な分野で広く使われ続けている。同様にイギリスの一部では低い温度はセルシウス温度で表されるが、日常的に使われる温度はカ氏温度で測定されている。 カナダの天気予報や報道機関は全てセルシウス度を使い、日常でもセルシウス度が使われているが、カナダのキッチンオーブンや一部のエアコンは、カ氏度で利用されることがある。これは、アメリカ向けの家電製品を使う機会が多いため、カ氏度が初期設定としてセットされているためである。最近は、アナログ表示が減り、デジタル表示の製品が増え、簡単にカ氏温度とセルシウス温度との切り替えが可能になっているため、カ氏温度のみを表示する製品は減少している。 ニュージーランドやオーストラリアでは完全にセルシウス度(およびセルシウス温度)への移行が完了している。
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