舞楽螺鈿蒔絵硯箱
| 主名称: | 舞楽螺鈿蒔絵硯箱 | 
| 指定番号: | 2526 | 
| 枝番: | 00 | 
| 指定年月日: | 1989.06.12(平成1.06.12) | 
| 国宝重文区分: | 重要文化財 | 
| 部門・種別: | 工芸品 | 
| ト書: | |
| 員数: | 1合 | 
| 時代区分: | 桃山 | 
| 年代: | |
| 検索年代: | |
| 解説文: | 被蓋【かぶせぶた】造り、削面取【そぎめんと】りの硯箱で、側面わずかに胴張りがあり、錫縁【すずぶち】を廻らしている。内部には、左半に長方形の銅製水滴と硯を嵌め、右には懸子【かけご】を納める。 その意匠は、舞楽の楽人・楽器・装束類を全面に配したもので、背景を略して対象を近接的に描写し、しかも立体的な画面構成を示している。またその加飾技法は、総体梨地に高蒔絵を主にして、厚貝螺鈿や金・鉛板を大胆に使用するとともに、細部には、細緻な切金・切貝をいたるところに併用している。 斬新で視覚に訴える印象的意匠は、桃山から江戸時代初期にかけての、いわゆる光悦蒔絵と称される一群のものに近い。しかし、その多彩で技巧的な加飾材の使用技法は、中世以来の技法をさらに発達させた江戸時代初期の伝統的蒔絵に見られるところであり、二様式を併有したものといえる。 個性的意匠表現とともに、精緻な技巧を尽くした蒔絵であり、多様な発展を見た近世初期蒔絵の中でも、特に異彩を放つ硯箱として貴重である。 なお、本硯箱は、重文・子日【ねのひ】蒔絵棚(文化庁)、重文・扇面鳥兜【とりかぶと】螺鈿蒔絵料紙箱(滴翠美術館)とともに、旧大名蜂須賀家に伝来したものであるが、これら三者は、細部の技法にいささかの差違が認められるものの、極めて相似た意匠感覚・技法を示している。 | 
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