臨済と普化とは? わかりやすく解説

臨済と普化

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/01 09:59 UTC 版)

臨済義玄」の記事における「臨済と普化」の解説

臨済録』の「勘弁」編に登場する禅僧普化(ふけ)(生没年不詳普化始祖とする宗派普化宗がある)は、大悟したはず臨済の上を行く存在として、重要な役割演じている(臨済シテ立場であるとするなら、普化ワキ役どころである)。ただし、その言行には異様なものが多く風狂僧や神異僧の部類属する。 ある日臨済普化と共にお斎(とき)(法要食事)に信者の家へ招かれた時、「一本髪の毛大海呑み込み一粒芥子(けし)の中に須弥山しゅみせん)(世界中心にあるとされる想像上の山)を収めるというが、これは不思議な神通力働きなのか、それとも、もともと当たり前のことなのかね」と普化に問うた。すると普化はいきなり食卓蹴倒した。臨済は「なんと荒っぽい奴だ」と言うと普化は「ここをどこだと思って荒っぽいの穏やかのと言うのか」と言った。その翌日、また臨済普化と共にお斎招かれた。臨済は「今日供養昨日のと比べてどうかね」と言うと普化はまた食卓蹴倒した。臨済は「それでよいにはよいが、何と荒っぽいやつだ」と言うと普化は「盲め!仏法荒っぽいの穏やかのがあるものか」と言い、思わず臨済舌を巻いた。 ある日臨済河陽・木塔の二長老一緒に僧堂囲炉裏囲んで坐っていたとき、「普化毎日、町の中で気狂いじみたまねをしておるが、いったい凡人なのだろうか、それとも聖人なのだろうか」と噂をしていた。すると、言い終わらぬうちに普化がやってきた。そこで臨済は問うた、「そなたは凡人なのか、それとも聖人なのか」。すると普化は「まずあんたが言ってみなさい。おれは凡夫かそれとも聖者か」と臨済言った。そこで師は一喝した。すると普化三人を指をさしながら河陽花嫁、木塔はお婆々。臨済こわっぱながら、いっぱしの目を持った子だ」と言った臨済は「この悪党め!と言うと普化は「悪党悪党!」と言って出て行ったある日普化僧堂の前で生の野菜食べていた。これを見た臨済言った、「まるでロバそっくりだな」。すると普化は「メー」と鳴いた臨済は「この悪党め!と言うと普化は「悪党悪党!」と言うなり、さっと出て行った普化はいつも街で鈴を鳴らしてこう言っていた、「明で来れば明で始末し、暗で来れば暗で始末する四方八方から明と暗とが共々やってきたら旋風のように応じ虚空から来れば釣瓶打ち片付ける」と。臨済侍者をやって、普化がこう言っているところをつかまえて「そのどれでもなく来たらどうする」と言わせた。普化侍者突き放して言った、「明日大悲院お斎ありつけるんだ」。侍者帰って報告すると、臨済言った、「わしは以前からあの男只者ではないと思っていた」。 普化ある日、街に行って僧衣施してくれと人びと頼んだ。皆がそれを布施したが、普化はどれも受け取らなかった。臨済執事命じて棺桶一式を買いととのえさせ、普化帰ってくると、「わしはお前のために僧衣作っておいたぞ」と言った普化はみずからそれをかついで、町々をまわりながら叫んだ、「臨済さんがわしのために僧衣作ってくれた。わしは東門行って遷化するぞ」。町の人競って後について行くと、普化言った、「今日はやめた明日南門行って遷化しよう」。こうしたことが三日も続くと、もう誰も信じなくなり四日目には誰もついて来る者がなかった。そこで普化ひとりで町の外に出て、みずから中に入り通りがかりの人に頼んでに釘を打たせた。この噂はすぐに広まった町の人たち先を争って駆けつけ開けてみると、なんと普化もぬけのからであった。ただ空中遠ざかっていく鈴の音(ね)がありありと聞こえるだけであった

※この「臨済と普化」の解説は、「臨済義玄」の解説の一部です。
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