育種の目標とは? わかりやすく解説

育種の目標

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:34 UTC 版)

育種学」の記事における「育種の目標」の解説

近代以前育種では、偶然見つかった好ましい特性を選ぶことで遺伝的改良進んできた。例えば、収穫しやすい個体病気に強い個体から種子取り次世代栽培に使うといったことである。近代育種では、どういった改良加えるか予め目標立てて育種計画作られる主な育種目標次の通り環境適応性改良 栽培地環境により適応した性質を持つようにすること。寒暖厳し地域への適応土壌塩分の多い地域への適応周年供給必要な作期(=栽培時期)の開発などに対して早晩性収穫が早いか遅いかという性質)やストレス耐性耐寒性・耐塩性など)を改良する。 例としては、本来、熱帯性植物のイネ亜寒帯北海道でも栽培されているのは、早晩性耐寒性などの環境適応性改良なされたためである。 耐病性・耐性の改良 病気被害がない性質、あるいは被害がより少な性質を持つようにすること。環境適応性改良一種とも分類できる経済的特性改良 収穫量(=収量)を増加させる、あるいは収穫物の味・香り食感成分などの品質高めるなど。成分改良は「成分育種」とも呼ぶ。 日本イネ代表的品種一つであるコシヒカリは、味の改良とは別の目標育種開始したが、結果的には「おいしいお米」として消費者受け入れられ広く普及した栽培・収穫作業管理上の特性改良 栽培収穫種苗管理などで好ましい性質を持つようにすること。一般に野生植物は、繁殖機会増やすため、種子時間・空間的に広く伝播できるような性質を持つ。作物としては、その逆の性質を持つことが好ましいため、それらの性質について改良なされてきた。 イネでは禾・ノギ・ノゲ)という籾先端針状部分があり、それは動物付着して(籾の中の)種子伝播広げる役割を持つと考えられている。しかしながらイネにおいては作業上の邪魔になるので、近代品種ないよう改良されている。発芽や熟期の斉一性も、この目標なりえる

※この「育種の目標」の解説は、「育種学」の解説の一部です。
「育種の目標」を含む「育種学」の記事については、「育種学」の概要を参照ください。

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