経営権争奪戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 01:45 UTC 版)
「関西スーパーマーケット」の記事における「経営権争奪戦」の解説
2021年8月31日、関西スーパーマーケット(関西スーパー)がエイチ・ツー・オー リテイリングの子会社になった上で、傘下の阪急オアシス・イズミヤとの間で経営統合すると発表した。 しかし、9月2日、2016年から関西スーパーの株式を保有しており、首都圏を地盤としているディスカウントスーパーのオーケーが同社に対して買収提案を行うことを決定。翌9月3日、オーケー側は関西スーパーに対するTOB・株式公開買い付けでの買収方針を明らかにした。オーケー側によれば、2021年6月に関西スーパーに1株あたり2,250円でTOBの提案をしたものの、実質的な協議の場を設けることはなかったという。これについて、オーケーでは「関西スーパーの株主利益の最大化の観点から、公正に比較、検討頂けたのか、懸念している」としながらも「提案当初から、敵対的な公開買い付けを行うつもりはない」とし、10月に行われる臨時株主総会でエイチ・ツー・オー リテイリングの子会社化の議案が否決された時にTOBを実施すると述べている。関西スーパーの株価はオーケーの買収方針を発表する前の9月2日に比べると、株価が4割程度上昇している。 10月29日に行われた臨時株主総会ではエイチ・ツー・オー リテイリングとの統合案を賛成多数で可決。これを受けオーケーは買収提案を取り下げると表明し、同時に今後同社が保有している関西スーパーの株式買取請求権行使を含めて検討するとコメントした。しかし11月9日夕方、オーケーは臨時株主総会での議決権の扱いに疑義があるとして、すでに可決したエイチ・ツー・オー リテイリングとの統合案の差し止め仮処分を神戸地方裁判所(神戸地裁)に申請。神戸地裁は11月22日に差し止めの仮処分決定を下し、12月1日に予定されていた株式交換は一旦差し止められた。 関西スーパーは神戸地裁に異議申し立てを行ったが認められず、11月26日に改めて差し止めの判断が下ったため大阪高等裁判所(大阪高裁)に抗告。12月7日、大阪高裁は一転して関西スーパーの主張を認め、神戸地裁の仮処分決定を取り消し、今度はオーケーが最高裁判所に許可抗告を行ったが12月14日に棄却され、オーケーは買収を断念。15日に株式交換が行われることとなった。 その後、オーケーは株式買取請求権を行使した上で12月22日までに全ての関西スーパー株式を一部市場内を含む売却処分をしていたことが同日関東財務局に提出した変更報告書で明らかになった。株式買取請求権行使分については今後関西スーパーとの間で買取額について協議を行い、2022年1月14日までに決まらなかった場合は会社法に基づき、裁判所に価格決定の申し立てを行うとしていた。 2022年1月6日、関西スーパーマーケットはオーケーなど15人に対して、これらが関西スーパーに買取を要請していた株式(計486万6000株)について、同日の終値(1038円)の1.5倍となる1株あたり1518円(総額約74億円)で引き取るとし、オーケー側も長期にわたる司法の争いを回避する観点から、この価格での買取に同意すると同日に発表した。これにより、オーケーは保有する株式を約35億円で関西スーパーに売却する形で争奪戦を終結させることになった。 2月10日、関西フードマーケット(同月1日に社名変更)は株式買取を求めた株主15人のうち7人との協議が調わなかったとして、価格決定を神戸地裁に申し立てたことを発表した。
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