箕面鋼索鉄道線(ケーブルカー)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/27 06:11 UTC 版)
「箕面温泉」の記事における「箕面鋼索鉄道線(ケーブルカー)」の解説
かつては阪急箕面駅から続く道と温泉を結ぶケーブルカーが敷設されており、利用者の便に供していたことがある。箕面観光ホテルや箕面温泉スパーガーデンを運営する大阪観光(1951年設立、資本金45,000千円)の運営で、「箕面鋼索鉄道」として1965年(昭和40年)10月1日に開業した。距離が0.1kmと短く、無料で利用できるものであったが、地方鉄道法(後の鉄道事業法)による正規の鉄道として運行されていた。このケーブルカーは温泉の宿泊者やスパーガーデン利用者のために設置されたものであるが、このケーブルカーだけに無料で乗車することも可能だった。地方鉄道法による運賃無料の鉄道は他にも存在したが、旅館宿泊客専用のケーブルカーであったり、有料で入場する博覧会等の会場内にあるモノレール等ばかりで、完全に無料で乗車できるものとしては唯一の鉄道だった。現存する運賃無料の鉄道は鞍馬山鋼索鉄道だけであるが、ここは入山料(拝観料)が必要な上に、鞍馬寺に200円(小学生半額)の境内維持のための寄進(寄付)金を納めた人だけが、寄進の返礼として無料で乗車できるシステムであるので、完全に無料ではない。 ダイヤが設定され案内看板にも記されていたが、繁忙期はある程度乗客が集まったら随時発車させる不定期運行が行われていた。 当ケーブルカーは老朽化のため1993年(平成5年)4月3日限りで休止し展望エレベーターに取って代わられ、同年7月30日に正式に廃止されている。なお、2021年(令和3年)現在でもケーブルカーの軌道は残存しており、山下駅側はホームも残存しているのを見ることができるが、山上駅は2006年にホテル付属のプールを建設したために確認できなくなった。途中の軌道は樹木に呑まれつつある。 駅一覧 山下駅 - 山上駅 輸送実績 年度旅客輸送人員(千人)1966 940 1970 811 1979 625 1985 703 1990 873 1992 894 私鉄統計年報1966.1970年、民鉄主要統計『年鑑世界の鉄道』1983年『年鑑日本の鉄道』1988,1993,1995年
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