第8軍 (アメリカ軍)とは? わかりやすく解説

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第8軍 (アメリカ軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 23:53 UTC 版)

第8軍
創設 1944年1月10日 - 現在
所属政体 アメリカ合衆国
所属組織 アメリカ陸軍
部隊編制単位
所在地 韓国 ハンフリーズ基地
標語 Pacific Victors
太平洋の勝者
戦歴 第二次世界大戦
朝鮮戦争
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第8軍(だいはちぐん、U.S. Eighth Army)は、アメリカ陸軍の部隊の一つであり、在韓米軍陸上戦力を構成している。朝鮮戦争以降、韓国に駐留している。2024年5月現在の司令官はクリストファー・ラニーブ中将(Christopher LaNeve)。

概要

軍司令部は2017年7月から平沢市のハンフリーズ基地に駐在する[1]。司令官は米韓連合軍司令部参謀長を兼任する。主力部隊はソウル南方の平沢に配備された第2歩兵師団である。2018年現在では在韓米軍の改編が進行中であり、ハンフリーズ基地へ移転するまで司令部が駐在していた ソウル特別市龍山基地も韓国への返還が決定している。

また、2015年12月には韓国側へ戦時作戦統制権を移管予定であったことに伴い、第8軍司令部はハワイにあるアメリカ太平洋陸軍司令部への統合も検討されていたが、戦時作戦統制権移管は2020年代半ばまで延期することを米韓は2014年に合意した[2]

歴史

第二次世界大戦中の1944年6月10日ロバート・アイケルバーガー中将指揮下に編成された。戦域への投入は、1944年9月のことであり、北部ニューギニアアドミラルティ諸島において、第6軍と交代し、警備任務についた。12月にはレイテ島へ移動し、1945年1月に傘下の第11軍団英語版ルソン島で戦闘を行っている。その後、終戦までフィリピンで掃討作戦を行っている。

ダウンフォール作戦に投入される予定であったが、その前に日本が降伏したため、占領任務に用いられた。日本へは1945年8月30日に到着を開始し、司令部を横浜市横浜税関本庁舎)に設置した。 同年9月8日、第8軍第一騎兵師団ジープを連ねて東京に進駐を開始[3]。アメリカ軍による占領を象徴する出来事となった。

当初、糸魚川小田原を結ぶ線以西の西日本を第6軍、東日本を第8軍が担任することになっており、第8軍は東日本に進駐したが、日本占領が円滑に進んだこと、第8軍より早期に創設された第6軍に復員得点の溜まっている部隊が多かったこと等から、第6軍が撤退して第8軍が西日本を含めた日本占領の主力となり、日本に駐留する全米陸軍部隊を統括した。

しかし、日本占領の安定化やアメリカ戦時体制の解除に伴って第8軍も急速に復員が進み、1945年末には約24万人を数えた兵力も、わずか1年後の1946年末には約5万8千人となり、さらに1948年4月末には約4万5千人となっていた。

また、韓国の独立により朝鮮半島南部に進駐していた米第24軍団も復員したことから、極東における唯一の米陸軍部隊となっていたため、朝鮮戦争勃発にあたっては米軍の主力として投入され、以後朝鮮半島(韓国)に駐留を続けている。

軍司令官

写真 氏名 勤続期間
ロバート・アイケルバーガー中将 1944年1月1日 - 1948年8月4日
ウォルトン・ウォーカー中将 1948年8月4日 - 1950年12月23日
フランク・W・ミルバーン英語版中将(代行) 1950年12月24日 - 1950年12月25日
マシュー・リッジウェイ大将 1950年12月25日 - 1951年
ジェームズ・ヴァン・フリート大将 1951年 - 1953年2月11日
マクスウェル・D・テイラー大将 1953年 - 1955年
ライマン・レムニッツァー大将 1955年3月 - 1957年
アイザック・ホワイト英語版大将 1957年 - 1959年
カーター・B・マグルーダー英語版大将 1961年 - 1963年
ハミルトン・H・ハウズ大将 1963年8月1日 - 1965年6月15日
ドワイト・E・ビーチ英語版大将 1965年 - 1966年
チャールズ・H・ボーンスティール3世大将 1966年 - 1969年
ジョン・H・マイケレス大将 1969年 - 1972年
ジョン・ヴェッシー・ジュニア大将 1976年 - 1978年11月6日
ジョン・A・ウィッカム大将 1979年 - 1982年
ロバート・W・セネワルド英語版大将 1982年 - 1984年
ウィリアム・J・リブジー英語版大将 1984年6月1日 - 1987年7月25日
ルイス・C・メネトリー英語版大将 1987年6月25日 - 1990年6月26日
ロバート・R・リズカシー英語版大将 1990年6月26日 - 1992年
エドウィン・H・バーバ・ジュニア英語版大将 1992年 - 1993年
チャールズ・C・キャンベル英語版中将 2002年12月6日 - 2006年4月10日
デイヴィッド・P・ヴァルコート英語版中将 2006年4月11日 - 2008年2月17日
ジョセフ・フィル英語版少将
Joseph Fil
2008年2月18日 - 2010年11月19日
ジョン・D・ジョンソン英語版中将
John D. Johnson
2010年11月9日 - 2013年6月26日
バーナード・S・シャンプー中将
Bernard S. Champoux
2013年6月27日 - 2016年2月2日
トーマス・S・ヴァンダル中将
Thomas S. Vandal
2016年2月2日 - 2018年1月
マイケル・A・ビルズ英語版中将
Michael A. Bills
2018年1月 - 2020年10月
ウィラード・バーレソン英語版中将
Willard Burleson
2020年10月 - 2024年4月
クリストファー・ラニーブ英語版中将
Christopher LaNeve
2024年4月 -

編成

第8軍の組織図
  • 第2歩兵師団「インディアン・ヘッド」
  • 第19戦域支援集団(19th Expeditionary Sustainment Command)
  • 第1通信旅団英語版
  • 第35高射砲旅団英語版
  • 第65医療旅団英語版
  • 第501軍事情報旅団英語版
  • 韓国勤務団大隊英語版
  • 国連軍司令部付共同警備区域保安大隊(UNC Security Battalion-Joint Security Area)
  • 第4-58飛行場業務大隊(4-58th Airfield Operations Battalion)
  • 在韓野戦事務局(Korea Field Office)
  • 第175財務管理センター(175th Financial Management Center)
  • 在韓統合軍業務隊(Joint U.S. Military Affairs Group-Korea)
  • 陸軍工兵隊極東管区(U.S. Army Corps of Engineers Far East District)
  • 第8軍下士官学校(Eighth Army Noncommissioned Officers Academy)
  • 第8軍軍楽隊(Eighth Army Band)
  • 第8軍本部および本部付大隊(Headquarters and Headquarters Battalion, Eighth Army)
  • 在韓陸軍特殊作戦部隊連絡班(Army Special Operations Forces Liaison Element-Korea, ALE-K)
  • 在韓訓練支援隊(Training Support Activity Korea)

脚注

  1. ^ 平成30年度版 防衛白書
  2. ^ 米韓、戦時作戦統制権移譲を再延期 韓国国防相「20年代半ば」、産経ニュース 2014年10月24日
  3. ^ 日置英剛『年表 太平洋戦争全史』国書刊行会、2005年10月31日、757頁。ISBN 978-4-336-04719-9 

関連項目

外部リンク




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