神殿II
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/22 04:44 UTC 版)
神殿 II はもっとも保存状態がよい。壁とテラスが堅固に現存しており、最初の段階である円形テラスは地元の石でつくられている。後に神殿が拡張した時には、ライムストーンで作られ、それは近くのジッダ島からボートで運ばれたものだった。ジッダ島で石は手で切り出され、注意深く、整然としたブロック状態の石へと加工された。そのスキルは、加工された石が運ばれた神殿の壁や、特に聖なる井戸のあたりで明瞭に見ることができる。二重の円形祭壇と供物卓が神殿の中央に建っている。南面には、三つの祭儀用の石があり、それは商人の船をかたどっているようである。中央の船は突き出た動物の頭を運んでいる。神殿の宝物は北東角にある石の枠のある穴に納められていた。中央テラスの中央には切石で立てられた神殿があり、表面を石で舗装されている。より小さな建物がテラスの残りの部分に並列して建っている。円形テラスの外側には何もないが、祭壇と祭式のシンボルが見て取れる。窪んだ石の円形筒の台座が南面にあり、台座に三本の柱が北西壁の近くに位置している。二つの列をなす祭式用の物品を置く台座は、テラス上部からの階段の両側に並んでいる。これらの台座のそれぞれの上に二つの正方形の穴があり、穴は瀝青と木の板に釘付けにされた銅板とともに並んでいた。ここでは銅板がつけられた柱が神の記章をつけて立っていた。その記章は、しばし印章で見られるものや、恐らく木造の彫像だったと思われる。中央のテラスから儀式の階段が地下神殿へと伸びていて、水の祭式を行なう地下神殿へとつながっていた。階段の半分あたりまでは入り口部分で、そこから下は天井がついていた。良質の湧き水がプールを満たし、このプールがバールバールの神殿のための立地を占めている。水は、注ぎ口がついた石の壷から注がれ、 そのそばには、くぼ地の近くにある乾いた台の境目に半円形の石の聖水盤のがあった。深い石が建てられた神殿の来訪者からは、水路が水を周辺の野原や庭に運んでいるのが見えたはずである。 この注目すべき地下神殿は、知恵と全ての淡水の神エンキ神の住処であるアプスーを象徴していると解釈されている。アプスーは、全世界の残りの部分の大洋からの淡水や深遠であると信じられていた。このような神殿のアプスーは、メソポタミアの楔形文字文書でも言及されている。神殿の東方には円形の犠牲式の場が設けられていて、舗装された傾斜と階段により、神殿中央の土台と繋がっている。犠牲場の床は灰と牛や羊の骨で覆われ、恐らく供儀にされた動物である。
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